2007 Fiscal Year Annual Research Report
樹幹の漏脂現象の機構解明を目的とした病理学的、生理学的、分子生物学的研究
Project/Area Number |
19380088
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山本 福壽 Tottori University, 農学部, 教授 (60112322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 進一郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (90092139)
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 准教授 (10252876)
小谷 二郎 石川県林業試験場, 森林環境部, 研究員 (40450811)
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Keywords | ヒノキ / ヒノキアスナロ / エチレン / サリチル酸 / ジャスモン酸 / 漏脂病 / Cistella japonica / Seiridium unicorne |
Research Abstract |
ヒノキ科樹種の漏脂病、樹脂胴枯病による漏脂現象のメカニズム解明に関する以下4課題を実行した。 (課題1)病理学的アプローチ:病原菌の感染機構の解析(伊藤・山本):ヒノキ・アテの漏脂病を引き起こすCistella japonica(Cj)菌、ヒノキ科樹種に広く樹脂胴枯病を引き起こすSeiridium unicorne (Su)菌を成木と苗木に接種し、感染機構を解析した。この結果は2008年の日本森林学会大会(東京農工大)において発表した。 (課題2)生理学的アプローチ:刺激伝達物質の定量と生理作用の解析(山本・板井):エチレン、ジャスモン酸およびサリチル酸が樹脂道形成、樹脂生産に及ぼす影響をヒノキアスナロ、ヒノキ成木に処理し、形成される樹脂道の構造の観察と分泌樹脂を定量した。この結果は2007年の樹木医学会(名古屋大学)において発表した。 (課題3)分子生物学的アプローチ:病原菌感染にともなう刺激伝達物質の生合成と漏脂現象におけるPRタンパク質の機能の遺伝子解析(板井・山本):Cj菌の感染によるとみられるヒノキアスナロ樹幹の樹脂分泌部位から樹皮組織を採取し、エチレンの生合成に関わるACC合成酵素の遺伝子を分析し、その活性化を確認した。 (課題4)樹脂分泌機構を基盤とした林業・林産業における新技術の開発(山本・小谷):2007年9月、タイのKasetsart大学のTrat Agroforestry Research Stationにおいて7年生Aquilaria crassnaを用いた有用樹脂成分の分泌促進実験を行った。この結果は現在解析中である。
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