2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380137
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤江 剛夫 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 教授 (10123423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸泉 利嗣 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (60230174)
守田 秀則 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (60239663)
石黒 宗秀 岡山大学, 環境管理センター, 准教授 (00294439)
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Keywords | 津波 / 海水被曝 / 農地 / 塩害 / 除塩 / 灌漑 |
Research Abstract |
(1)平成20年度に設置したタイ国コンケン現地試験圃場において、効率的除塩方法の確立のために現地フィールド枠試験を実施した。湛水リーチング、フラッシュリーチング、表層排土、対照の4処理を設け、その効果を実証した。乾季においては各処理により、処理直後の効果が明瞭に認められるが、その後、干天が続くと下層の塩分が表層に再上昇する事実が認められた。雨季を経ると塩分は50cm以深にリーチングされるので、特段の除塩処理が必要でないことがわかった。 (2)現地に分布する特徴的な土壌型を模した模擬土壌を作成し、塩水浸入・再分布、リーチングカラム試験を行った。この際、石膏投与の効果も合わせて検討した。除塩効果は分散係数よりも移流速度を決める透水係数に専ら支配される結果となった。石膏投与は透水性の低下を抑制し、除塩速度を大幅に向上させることが示された。 (3)現地枠試験とカラム試験の結果を解析ソフトHydrusを用いて解析したところ、リーチング特性と再分布をほぼ再現することができた。 (4)衛星画像とGISデータを用いて、津波による海水被曝被害域と植生回復状況の推定法をプーケット地区に適用して予測精度を改良し、これをバンコク付近沿岸低平地の被害予測に適用した。 (5)中国内蒙古河套灌区に設置した現地枠試験圃場において、塩水浸入と再分布試験を行うとともに、凹凸をもつ塩害地での塩分動態と地温環境を測定した。 (6)除塩のための除塩用水最適配分を確立するための基礎的手法として、線形計画を用いた用水配分最適化手法を開発し、これを河套灌区に適用し、有効性を確かめた。 (7)衛星画像を利用した塩害地の同定法を河套灌区を対象に開発し、塩害地発生要因と塩害地面積の変遷を検討した。
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