Research Abstract |
本年度は,試作した小形選果ロボットを使用するため,愛媛県総合農業技術センタ内の試験ほ場においてテスト走行を行った。その結果,当初は樹木列間を塩ビパイプガイド付き4輪機構としていたが,樹園地の条件によっては走行困難であることも多く,パイプガイドならびにレーザーセンサをとりやめると同時に車輪の寸法を大きくすることで移動容易とした。また,本ロボットはD-GPSで自己位置を獲得できるシステムを搭載し,園地内の自己位置を知ることが可能である。そのことから,本年度の実験としては,特にカラーTVカメラ,近赤外分光を用いた内部品質センサ,ローラーピンコンベア(RPCと称する)の動作確認と収穫果実の画像から抽出可能な特徴量(色,寸法,糖度等)のマッピングを行った。一方,搭載された樹幹のモニタリングカメラでは,果実の概数,葉色,樹幹の寸法などが計測可能であることより,それらの特徴量マッピングも行った。フィールドサーバーに関しては,2カ所に設置し,その動作確認とデータ蓄積を行った。各フィールドサーバーは,環境計測を行う気象計,樹木の画像を入力するマシンビジョン,データを統合し集積するデータロガの3要素で構成される。また,愛媛県総合農業技術センタ内の試験ほ場にも気象計があり,同様の計測が可能であることから,3地点における気象情報が可能となっている。フィールドサーバーに装着されたマシンビジョンにおいても画像入力を行ったが、雨よけフードにより画像の品質を向上することが困難であることより,改造中である。衛星画像および制御に関しては,谷脇准教授の急逝により予定を変更し,ALOSからの画像をダウンロードするとともに,その特徴量抽出を行っている。
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