2008 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸の筋肉蛋白質合成特異的促進能力を応用した飼料アミノ酸要求量の精密化
Project/Area Number |
19380149
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
喜多 一美 Iwate University, 農学部, 教授 (20221913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 忍 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20282999)
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Keywords | ニワトリ / アミノ酸 / 飼料 / 筋肉 / 蛋白質 / 蛋白質合成 / IGF-I / IGF type-1レセプター |
Research Abstract |
アミノ酸には蛋白質代謝調節機能があり、平成19年度までの研究成果から、アミノ酸の中でも特に、バリン欠乏が蛋白質合成を著しく低下させることを明らかにした。本年度(平成20年度)では、バリンによる蛋白質合成制御機構の解明を目指し、以下の試験を行った。試験1では、筋芽細胞の培養液中におけるIGF-Iまたは-II濃度及びバリン濃度を段階的に変化させ、筋芽細胞の蛋白質合成に及ぼす影響を調査した。蛋白質合成は、培養液中ヘトレーサーとして[3H]フェニルアラニンを添加し、筋芽細胞蛋白質への取り込み具合を指標とした6試験2では、単一アミノ酸欠乏時(ロイシン、チロシン、バリン)における筋芽細胞のIGF関連遺伝子発現量を比較した。遺伝子発現の程度はリアルタイムPCRを用いて測定した。 試験1より、バリン及びIGF濃度の低下に伴ってタンパク質合成が低下し、バリン欠乏時にはIGFによる蛋白質合成促進作用が観察されないことが明らかになった。また試験2では、チロシン欠乏時やロイシン欠乏時と比較して、バリン欠乏時にIGFtype-1レセプターの遺伝子発現量が著しく低下することが明らかとなった。さらに、バリン欠乏時におけるIGF-I1、IGF-II、IGFtype-2レセプターの遺伝子発現は、チロシン欠乏時やロイシン欠乏時と同程度であった。以上より、バリン欠乏による蛋白質合成低下の原因は、バリン欠乏によりIGF type-1レセプターが減少し、IGFの蛋白質合成促進作用が発揮されないためだと考えられた。
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Research Products
(1 results)