2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武田 敬 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30135032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 道子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30379888)
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Keywords | 不斉転写 / キラルカルバニオン / [2, 3]-Wittig転位 / 不斉反応 / 転位反応 / 光学活性アレン |
Research Abstract |
本年度は最終年度となるが,昨年度までの研究成果に基づき以下の研究計画を実施し,所期の研究目的を達成することができた. 1. プロパルギルシリケートのS_E2'反応における立体過程の解明と合成反応としての展開 プロパルギルアシルシラン誘導体をトルエン中α位に水素原子を有するホモキラルなアミンのリチウム塩で処理すると,Meerwein-Pondorf型の還元が進行し光学活性なα-シリルプロパルギルアルコールが生成することを見出した.このアルコール体を単離せず還元後直ちにTHFを加えると,シリケートのS_E2'型反応を経て生成したアレニルアニオンが種々の求電子剤で捕捉され光学活性なアレン誘導体が得られた.求電子剤が分子内の共役エステルの場合,90%以上の不斉収率で環状アレン誘導体が生成したことから,キラルビルディングブロックとしての有用性が高まった. 2. キラルカルバニオンの立体化学的安定性に影響を及ぼす因子の解明 発生させたキラルカルバニオンを[2, 3]-Wittig転位で捕捉し,生成物における不斉誘起に基づいてキラルカルバニオンの立体化学的安定性を評価する方法における溶媒効果を検討した結果,鎖状エーテル,環状エーテル,低極性炭化水素溶媒で,安定性は大きく変動することが明らかになった.この結果は,リチウムイオンの溶媒和の様式に依存するcontact ion pairとseparated ion pairの比の変動によって説明可能である.
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Research Products
(26 results)