2007 Fiscal Year Annual Research Report
薬物動態関連遺伝子の多型に代わる発現メカニズムの多様性とヒト機能解明への展開
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19390044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 駿 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 教授 (40218699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家入 一郎 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60253473)
廣田 豪 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80423573)
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Keywords | インプリンティング / miRNA / エピジェネティックス |
Research Abstract |
1.imprinting制御を受ける薬物動態関連遺伝子の特定(臓器別、妊娠周期別特定);マウスにおける薬物トランスポーター(Mdr1&2,Bcrp1,Mrp1&2,Oct1,2&3,Matel,Oat1,2&3)についてインプリント解析を行った。その結果、Oct1遺伝子は胎盤で母親由来のアレルが父親由来のアレルよりも優位に発現しており、不完全なインプリンティング状態にあることが示された。また、Oct2遺伝子は胎盤で母性発現のインプリント遺伝子であり、Oct3遺伝子は胎盤と肝臓において母性発現のインプリント遺伝子であることを認めた。その他のトランスポーター遺伝子については、両親由来の発現を見たため、インプリント遺伝子ではないことが明らかとなった。これらの結果を受けて、OCT1,2,3遺伝子についてヒト肝臓と胎盤でインプリント状態を明らかにするとともに種差について検討した。白人肝臓でのインプノント解析の結果、OCT1,3遺伝子はともに両アレルの発現を認めたため、インプリント遺伝子ではないと言える。また、日本人胎盤でのインプリント解析では、OCT1,2,3遺伝子でアレル発現が異なっていた。OCT1,2遺伝子は、検体により片側アレルの発現を認める検体と両アレルの発現を認める検体があり、検体由来の偏りが見られた。OCT3については両アレルの発現を認めた。インプリント制御の原因をメチル化あるいはヒストン修飾から検討し、エピジェネティック制御の解析が必要である。 2.miRNAの薬物動態関連蛋白発現への関与;ヒト胎盤において155種のmiRNA網羅的発現解析を行い、p-糖タンパク発現量との相関を評価した結果、4種のmiRNAにおいて、両者に有意な正の相関を認めた。miRNAの機能解析に先立ち、使用するHepG2,BeWo,Caco2細胞での内在性の4種のmiRNAによるABCB1遺伝子3'-UTRへの影響をluciferase assayにより検討した。その結果、2種のmiRNAが超ABCB1遺伝子発現制御に作用している可能性が示唆された。組み込み実験等により詳細に機能解析を追加する必要がある。
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Research Products
(1 results)