2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物動態関連遺伝子の多型に代わる発現メカニズムの多様性とヒト機能解明への展開
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19390044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 駿 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 教授 (40218699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家入 一郎 九州大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60253473)
廣田 豪 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80423573)
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Keywords | CYP3A4 / MDR1 / miRNA / 発現制御 / SNPs |
Research Abstract |
(1)miRNAによるCYP3A4発現制御-(a)CYP3A4遺伝子3'-UTRの多型解析;+683C>T,+766T>T(del)、2種類のSNPsをそれぞれ、4%,15%の頻度で認めた。(b)CYP3A4 3'-UTRにtarget siteを持つmiRNAの検索;塩基配列の相補性や結合自由エネルギーより、候補として、2種類のmiRNAを選択した。(c)SNPsの結合エネルギーへの関与;二次構造の変化より、+766T>T(del)でmiR-511の結合能の低下が予想された。(d)luciferase(LUC)assayによる機能評価;CYP3A4 3'-UTRをLUC vectorに連結し、SNPsと各miRNAの関与を検討した。その結果、2つのSNPsはmiRNA干渉に関与しない事、miR-411による蛋白発現の制御が観察された。CYP3A4活性の個人差として、miRNAの関与が強く示唆された。 (2)miRNAによるMDR1発現制御-(a)MDR1遺伝子3'-UTRの多型解析;+187G>C,+193A>G、2種類のSNPsをそれぞれ、2%,28%の頻度で認めた。(b)3'-UTRにtarget siteを持つmiRNAの検索;3種類の候補、miR-27a,374a,561を選択した。(c)luciferase(LUC)assayによる機能評価;MDR13'-UTRをLUC vectorに連結し、SNPsと各miRNAの関与を検討した。その結果、miR-27aとmiR-374aが同程度に、SNPsの有無に関わらず蛋白発現を抑制することが明らかとなった。さらに、両miRNAを共発現させ、影響を評価したところ、相乗的な発現抑制が観察され、両miRNAの発現への関与が明らかとなった。さらに、ヒト胎盤を試料に両miRNAの発現を調べた所、両者の発現量には、有意な正の相関を認めた。臓器に発現するMDR1の大きな個人差を規定する要因として注目される。
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