2007 Fiscal Year Annual Research Report
難治性脳疾患の画期的治療薬の開発基盤の構築-GIRKチャネルを標的にして
Project/Area Number |
19390066
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高濱 和夫 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白崎 哲哉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30264047)
副田 二三夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10336216)
山村 研一 熊本大学, 学内共同利用施設, 教授 (90115197)
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Keywords | GIRKチャネル / クロペラスチン / ドパミン / セロトニン / 難治性うつ病モデル / 排尿障害 / GIRK2サブユニット / GIRK2コンデイショナルノックアウトマウス |
Research Abstract |
GIRKチャネルを標的にした難治性脳疾患の画期的治療薬の開発基盤を構築するために、薬理学的、神経化学的、電気生理学的、分子生物学的研究を展開し、以下の成績を得た。1.GIRKチャネル活性化電流抑制作用をもつクロペラスチン(CP)は薬用量で難治性うつ病モデル動物の症状を改善した(特願2008-077752)。2.マイクロダイアリシス解析の結果、CPは脳内ドパミンおよびセロトニンレベルを上昇させた(特願2008-077752)。3.脳梗塞ラットの排尿障害に対するCPの改善作用は、ドパミンD_2受容体プロッカーとの併用により著明に増強された。また、CPとドパミンD_1受容体プロッカーとの併用は、CPの排尿障害改善作用をほぼ完全に抑制した。4.CPのGIRKチャネル活性化電流抑制作用は光学活性体の間で差はなかった。脳に多いGIRK1/2と心臓に多いGIRK1/4の発現型において、CPのチャネル活性化電流における作用の強さは変わらなかった。CPとGIRKチャネルとの相互作用部位をNMRにより解析した結果、R229、V303、C310の3つの部位で大きな化学シフトが観察された。これらの部位の点変異体を卵母細胞に注入して機能を解析した結果、CPのGIRKチャネル活性化電流抑制作用は抑制された。5.IRKチャネルの4つのサブユニットの中で、GIRK2サブユニットのコンデイショナルノックアウトマウスの作成に着手した。まず、標的exon4aの両端にloxP配列を挿入するための、ターゲッテングベクターの構築を行った。このターゲッテングベクターをES細胞に導入して、ベクターの導入クローン合計672個についてPCR法、サザンブロット法により組み換え体の解析を行ったが、本年度の時点で組み換え体を検出できなかった。
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Research Products
(5 results)