2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性脳疾患の画期的治療薬の開発基盤の構築-GIRKチャネルを標的にして
Project/Area Number |
19390066
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高濱 和夫 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白崎 哲哉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30264047)
副田 二三夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (10336216)
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Keywords | GIRKチャネル / クロペラスチン / チペピジン / ドパミン / セロトニン / 難治性うつ病 / 排尿障害 / GIRK2コンデイショナルノックメアウトマウス |
Research Abstract |
GIRKチャネルを標的にした難治性脳疾患の画期的治療薬の開発基盤を構築するために、薬理学的、神経化学的、電気生理学的、分子生物学的研究を展開し、以下の成績を得た。 1)GIRKチャネル活性化電流抑制作用をもつクロペラスチンに加えて、チペピジンも治療抵抗抵抗性うつ病モデルにおいて新規抗うつ様作用をもつ。また、この作用は鎮咳有効量で発現した。2)この作用は微量のチペピジンの脳室内投与によっても発現した。3)クロペラスチンの新規抗うつ様作用は、セロトニン枯渇薬のPCPA処置では有意な影響を受けなかったが、カテコールアミン枯渇薬のAMPT処置により減弱した。また、GIRKチャネルに共役している各種神経伝達物質の拮抗薬や作動薬では、ほとんど影響を受けなかったが、ACTH反復投与による海馬ブルココルチコイド受容体mRNAの発現量の低下を回復させた。4)in vivoマイクロダイアリシスでの検討の結果、クロペラスチンやチペピジンは内側前頭皮質におけるセロトニン、ノルアドレナリンおよびドパミンのレベルを増加させた。セロトニンおよびドパミンの増加はPCPA処置によりともに減弱した。AMPT処置はクロペラスチンによるドパミンの増加を抑制したが、セロトニンの増加には影響しなかった。4)GIRKチャネル阻害作用をもつ薬物は従来の抗うつ薬と異なり側座核のドパミンレベルを上昇させた。5)5)クロペラスチンは側座核へ投射しているドパミン神経の起始核である腹側被蓋野のニューロンのGIRKチャネル活性化電流を抑制した。6)NMR解析の結果、クロペラスチンはGIRK_<CP>のGln227、Glu300、Cys310を含む細胞内ポアに結合することが示唆された。
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Research Products
(9 results)