2007 Fiscal Year Annual Research Report
重合端因子の単分子可視化を用いた急性アクチン重合シグナルの解明
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19390075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 直樹 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (80303816)
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Keywords | 細胞・組織 / 一分子計測 / 生体分子 / ナノバイオ / コフィリン / アクチン重合 / 細胞シグナル / アクチン線維切断 |
Research Abstract |
以前、われわれは蛍光単分子イメージングを応用し、細胞伸展縁に発達する葉状仮足内における主要なアクチン線維端の結合分子Arp2/3複合体、キャッピングプロテインの分子動態を捉えた。そして、アクチン伸長端が1.2秒の半減期で高頻度に脱キャップされること、それが高頻度線維切断-結合によることが示唆された(ジャーナルオブセルバイオロジー誌2006年発表済).本研究では、このアクチン線維の細胞内での高頻度切断-再結合仮説を検証するため、(1)他のアクチン線維端結合プローブの動態を比較し、AIP1を含む複数の分子で脱重合阻害による分子滞留時間の延長が観察された(投稿準備中)。また、(2)AIP1はコフィリンによる線維切断活性に依存した線維ネットワークへの会合が予想される。その分子動態解析を通して、線維切断反応を可視化した。結果は、細胞でもコフィリン依存的にAIP1が線維断端につくことを支持するデータを得た。その頻度は毎秒アクチン600分子長の線維に1回と見積もられた。これらの結果から、Arp2/3複合体による線維(重合核)形成より1桁高い頻度でAIP1が関与する線維切断による重合端の産生が恒常的に存在することが明らかとなった(投稿準備中)。アクチン細胞骨格の迅速な改変を可能とするしくみの1部が解明された。 また、関連して、フォルミン蛋白質の1つmDialがアクチン単量体増加にトリガーされ、急速にアクチン線維を核化、速やかにアクチン伸長を誘導する急性のアクチン線維修復フィードバック機構を細胞内分子可視化によって見出た(投稿中)。 また,奈良先端大の稲垣らと共同で,彼らが神経細胞の成長円錐伸展を増加させる分子として以前報告したShootin-1がアクチンの求心性流動に会合することを発見し、神経突起の伸展メカニズムにおけるShootin-1とアクチン流動とのリンクが果たす役割の解明にも貢献した。
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Research Products
(8 results)