2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規血管保護因子-分泌型RAGEの発現機構と病態生理の解明
Project/Area Number |
19390085
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 博 Kanazawa University, 医学系, 教授 (00115198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系, 准教授 (40303268)
|
Keywords | RAGE / esRAGE / alternative splicing |
Research Abstract |
分泌型RAGE(endogenous secretory RAGE, esRAGE)の各種病態における役割およびesRAGE生成にいたる選択的スプライシングの制御機構を明らかにすることを目的とし、研究実施計画に基づいて研究を遂行した結果、以下の成果を得た。 1. 分泌型RAGE過剰発現マウスの解析 ヒトesRAGE過剰発現マウスのラインについて、各臓器におけるesRAGEの発現をウェスタンブロットにより解析した。アルブミンプロモーター下でのヒトesRAGEの発現は予想通り肝臓で最も高く、血清中のヒトesRAGE濃度は、ヒトの正常値の千倍以上に達していた。 2. 分泌型RAGE欠損マウス(膜型RAGE cDNAノックインマウス)の作製 マウスRAGE遺伝子の全長を膜型RAGEのcDNA配列によって置換したターゲティングベクターをマウスES細胞に導入し、相同組換えES細胞のクローンを得た。 3. 選択的スプライシング機構の解明 a. CMVプロモーターの下流にEGFPおよびRAGE遺伝子のエクソン8以降の配列を融合させたミニ遺伝子を、ヒト血管内皮初代培養細胞であるHMVEC(human microvascular endothelial cell)に一過性に導入した。 b. 上記のミニ遺伝子由来の膜型および分泌型に対応するスプライシング産物を、mRNAレベルでは定量的RT-PCR法により、タンパクレベルでは共通タグであるEGFPに対するウェスタンブロット法により識別・定量し、それらの生成比を検討した。また、この定量的RT-PCR法について特許を出願した。 c. 上記のミニ遺伝子に種々の変異を挿入し、選択的スプライシングへの影響を検討した。その結果、選択的スプライシングを制御している可能性のある複数のシス配列、およびその配列に結合する可能性のある因子が同定された。
|