2007 Fiscal Year Annual Research Report
男性不妊、潰瘍性大腸炎における細胞接着分子TSLC1の異常の意義の解析
Project/Area Number |
19390091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 善則 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (30182108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90167487)
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Keywords | 病理学 / 遺伝子 / 発現制御 / 男性不妊 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
1.ヒト男性不妊症におけるTSLC1の関与の実態と意義の解析(武内、村上) 特発性男性不妊症患者の精巣生検組織130例を病理学的に精査し、Tslc1遺伝子欠損マウスが示した精子細胞のセルトリ細胞からの滑脱と類似の形態を示す例80例を見出した。また、これらの精巣組織でのTSLC1タンパク質の発現を検索し、発現が低下した4例を同定した。 2.精巣、粒子細胞におけるTSLC1分子経路の解明(村上) Tslc1遺伝子欠損マウスは精子細胞のセルトリ細胞からの滑脱による精子形成障害、雄性不妊を示すが、TSLC1は精子細胞にのみ発現しセルトリ細胞には発現しない。そこで、セルトリ細胞でTSLC1と結合する候補分子をTSLC1免疫沈降物の質量分析によって検索する系を確立した。またin vitroでTSLC1を介する接着経路の活性を評価できる細胞伸展アッセイを確立した。 3.TSLC1転写制御の精子形成における意義の解明(村上) レチノイン酸によるTSLC1遺伝子の発現誘導が転写活性化によること、また転写活性化にはTSLC1遺伝子上流2キロ塩基対の断片の転写活性の解析から、レチノイン酸による発現誘導にはTSLC1遺伝子上流約400塩基対の断片が重要であることをルシフェラーゼ・アッセイ等を用いて見出した。またTslc1遺伝子欠損マウスの遺伝的相補による精子形成能の回復を目的として、TSLC1トランスジェニック・マウスを作成し、遺伝子の胚細胞への導人を確認した。 4.ヒト潰瘍性大腸炎におけるTSLC1の関与の実態と意義の解明(村上) 潰瘍性大腸炎症例の大腸粘膜上皮におけるTSLC1の発現の程度を検討し、潰瘍性大腸炎の一部、特に炎症程度の強い例でTSLC1の発現を見出した。
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[Journal Article] Involvement of the SgIGSF/Necl-2 adhesion molecule in degradation of mesenteric mast cells2007
Author(s)
Ito, A, Hagiyama, M, Oonuma, J, Murakami, Y, Yokozaki, H, Takaki, M
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Journal Title
J Neuro Immunol 184
Pages: 209-213
Peer Reviewed
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