2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネトリンによる細胞死抑制のメカニズムとヒト疾患における意義
Project/Area Number |
19390092
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
荒川 博文 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 生物物理部, 部長 (70313088)
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Keywords | ネトリン / ネトリンレセプター / アポトーシス / 細胞死 / p53 / 細胞死抑制 / カスペース / 神経軸索誘導 |
Research Abstract |
ネトリンとそのレセプターは神経軸索誘導関連物質で、神経細胞の発生・分化の過程において神経細胞軸索の伸長反応に重要な役割を果たす。一方で、神経系以外の細胞において、細胞死の正と負の制御を行うことで細胞の異常増殖・不死化を防ぎ、細胞癌化に対して抑制的に働いている(Arakawa,H.Nature Reviews Cancer 4,978-987,2004)。我々はネトリンがp53依存性細胞死を強力に抑制する事実を見出した。 この研究では、ネトリンによる細胞死抑制作用が、どのようなレセプター及びその会合分子によってメディエートされているかを明らかとするために研究を行った。結果として、これまでに全く明らかとなっていなかった新規ネトリンレセプターXを同定した。また、このレセプターがネトリンによる細胞死抑制シグナルの責任レセプターであることを証明した。ネトリンは、レセプターXとの結合によって細胞死抑制、細胞遊走、細胞極性を制御していた。我々の研究成果は様々な疾患のメカニズムの解明や、ネトリンによる新しいシグナル伝達経路を応用した新しい疾患治療法の開発に繋がることが期待される。
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Research Products
(2 results)