2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390093
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
和田 芳直 Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health, 代謝部門, 所長兼部長 (00250340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋川 幸直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 研究員 (90393264)
岡本 伸彦 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 研究員 (30416242)
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Keywords | 糖タンパク質 / 糖鎖合成異常症 / 質量分析 / ムチン型糖鎖 |
Research Abstract |
(1)年間約100例のペースで発達遅滞児について糖タンパク質糖鎖構造異常の探索を行い、依頼を受けたうちの1/100の頻度でCDGを発見している。コーカサス人種において最頻のタイプCDG-I a(ホスホマンノムターゼ2 : PMM2)は我が国においても最頻であるが欧州高頻度のR141H変異は日本人では見つかっておらず、反対にR238P変異が高頻度に見つかっている。また、シアル酸付加不全患者においてcutis laxa-2を発見した。我々が用いている診断法の有効性を確かめるためにオランダNijmegenのSt.Radbaoud大学医療センターと共同研究を開始した。 (2)血中O型(ムチン型)糖タンパク質で最も豊富に存在するのがIgA1、次にhemopexinである。IgA1はクラスター状に糖鎖が付加し、hempexinは散在する形である。IgA1の糖鎖付加部位を電子移動解離により分析した結果、次のことを明らかにした。まず、IgA1にムチン型糖鎖を付加する起点となるGalNAc転移酵素はGalNT2とされているが、in vitroでのGalNT2によるクラスター的な付加反応の観察においてペプチドを基質に用いる従来の方法では真の付加順序は明らかにできないことがわかった。次に、関節リウマチ患者では従来IgGのN型糖鎖における末端ガラクトース欠損が知られているが、このような患者におけるO型糖鎖異常はガラクトース欠損でなく、Ser/Thrに付加するGalNAcの減少、すなわちO型糖鎖自体の減少であることを明らかにした。一連の研究において、O型糖鎖を構成する各糖ユニットの定量法を開発した。さらに、hemopexinがO型糖鎖CDGの探索に適していることを明らかにした。 (3)酸性糖鎖/糖脂質の高感度な分析について、従来の紫外レーザーを用いるマトリックス支援レーザー脱離イオン化法に比べて中赤外波長レーザーを用いる方法が、感度とソフトさの点でまさっていることを明らかにした。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Wada Y.
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Journal Title
"Detection and characterization of protein mutations by mass spectrometry" in "The Protein Protocols Handbook 3rd Ed"(Humana Press)
Pages: 1081-1094
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