2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経系におけるIFNシステムの解析と新規固定型IFNの応用
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19390109
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高岡 晃教 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30323611)
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Keywords | インターフェロン / シグナル伝達 / 脳腫瘍 / 病原体認識受容体 / ウイルス感染防御 |
Research Abstract |
IFN-α/β製剤は一部の悪性腫瘍をはじめ,治療薬として広く臨床応用されていたが,一方でIFNsは多様な生物活性を有することから多彩な副作用が出現し,余儀なく治療中止しなくてはならない場合が認められる.このような副作用を如何に抑制させ,かつ高い効果をあげることができるかが,IFN治療において重要な課題であると考えている.本研究では,IFN分子を細胞膜上に固定化させるという方法で,周囲への分散を抑制し,IFNの副作用を抑えることを考えた.まず本年度においては,IFNの局所への固定化を目的に細胞膜結合型のIFNとして,ヒトIL-2受容体α鎖の細胞内領域および膜貫通領域に続いて細胞外領域の代わりにヒトIFN-βをリンカーを挟んでfusionさせたタンパク質をデザインした.次に,レトロベクターの系を用いてHEK293T細胞にデザインした分子を発現させた結果,予想されたサイズのタンパク質の発現を確認した.FACSや細胞免疫染色法によりこの分子の局在を調べた結果,大部分は細胞質内に分布するものの,一部は細胞表面に存在していることが確認された.そのため,この細胞を用いて実際にcell-to-cellでのリガンドー受容体結合によって細胞内シグナル伝達が起きていることをルシフェラーゼアッセイの系を用いて検討した結果,膜結合型IFNを発現したHEK293T細胞の時のみlucの活性が認められた.この結果が,新しくデザインした分子がsheddingすることによるものではないことを除外するために,Boydenチェンバーを用いて検討したところ,多くの場合sheddingされていることがわかった.この問題点を解決すべく,リンカー部分の長さを変えることにより,効率よく細胞膜に局在する分子を設計しているところである.問題が解決すれば悪性グリオーマの細胞株を用いて,膜型IFNの効果を検討する予定である.
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Research Products
(4 results)