2007 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルスによる自然免疫活性化と病原性に関する研究
Project/Area Number |
19390129
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 賢蔵 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30133721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩切 大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10307853)
瀬戸 絵理 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 学術研究員 (40431382)
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Keywords | EBウイルス / EBER / 自然免疫 / TLR-3 / 伝染性単核症 / 慢性活動性EBV感染症 / EBV関連血球貪食症候群 |
Research Abstract |
ウイルス感染に際して細胞内ではretinoic acid-inducible gene I(RIG-I)が、細胞外ではtoll-like receptor 3(TLR-3)がウイルスの二本鎖RNAにより活性化され、インターフェロンや炎症性サイトカインの発現を誘導する。これが自然免疫系による最初の抗ウイルス反応として知られている。我々は既に、EBウイルス(EBV)がコードする小RNA分子EBERが多数のstem-loopからなる二本鎖RNA様構造をとり、RIG-Iの活性化を誘導することを報告している。 本研究では、EBV感染細胞培養上清中には大量のEBERが存在すること、EBERがTLR-3の活性化を誘導すること、を見い出した。EBERは細胞内では大部分が宿主蛋白L22と、ごく一部がPKR、Laと結合しているが、培地中のEBERは大部分がLaと結合しており、EBERがLaの分泌に伴って細胞外へ出てくることが示唆された。 次いで、伝染性単核症、慢性活動性EBウイルス(EBV)感染症(CAEBV)、EBV関連血球貪食症候群(EBV-HLH)などの活動性のEBV感染症の血清中にTLR-3の活性化を誘導するに十分量のEBERが存在することを明らかにした。伝染性単核症、CAEBV、EBV-HLHでは各種炎症性サイトカインの過剰産生が病態形成に重要な役割を果たしているものと考えられている。本研究の結果は、感染細胞から分泌されたEBERによるTLR-3活性化が活動性EBV感染症におけるサイトカインストームを引き起こしていることを示唆する。
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Research Products
(4 results)