2007 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの感染および複製に関与する宿主因子の解析
Project/Area Number |
19390133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 善治 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (50157252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 隆之 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90403203)
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Keywords | HCV / 感染 / 複製 / 集合 / 宿主因子 / 病原性 |
Research Abstract |
これまでにC型肝炎ウイルス(HCV)のエンベロープ蛋白質を被ったシュードタイプウイルス(HCVpv)を用いて感染機構の解析が進められてきたが、HCVpvはゲノムにエンベロープ遺伝子を持たないため、一度しか感染できず、二次感染は起こらない。本研究では水疱性口内炎ウイルス(VSV)のエンベロープ遺伝子を欠損させ、代わりにHCVのエンベロープ遺伝子を組み込んだ組換えVSV(HCVrv)を作製し、その感染様式を解析した。293TやHuh7細胞で作製したHCVrvは、Huh7細胞に最も高い感染性を示し、抗hCD81抗体やC型肝炎患者血清で感染が中和された。また、一部のHuh7細胞株では、HCVrvの感染拡大が確認された。自立増殖可能なHCVrvは、各種遺伝子型のHCVの感染機構の解析に有用であと考えられた。HCVコア蛋白質を発現するマウス(CoreTg)は肝脂肪化と肝発がんを発症する。本研究では、HCVコア蛋白質の安定性を調節する宿主因子として我々が同定したPA28γのHCVによる肝脂肪化と肝発がんにおける役割について解析した。PA28γ遺伝子をノックアウトによりCoreTgマウスの肝脂肪化および肝発がんは消失した。脂肪酸合成遺伝子の発現を調節する転写因子SREBP-1cとその下流遺伝子の発現上昇およびSREBP-1c遺伝子の転写を調節するLXRα/RXRαの活性の上昇がコア蛋白質の発現で個体レベルおよび培養細胞レベル認められ、PA28γ遺伝子のノックアウトあるいはノックダウンによってその活性化は著しく軽減された。以上の結果から、PA28γはHCVによって誘導される病原性に必須であることが示唆された。
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Research Products
(13 results)