2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳がんリスクとしてのエストロゲン、メラトニンとサーカディアンリズムに関する研究
Project/Area Number |
19390172
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永田 知里 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30283295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 弘之 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (90073139)
武田 則之 朝日大学, 歯学部, 教授 (20163412)
藤田 広志 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10124033)
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Keywords | 乳がん / サーカディアンリズム / エストロゲン / メラトニン / 乳腺組織密度 |
Research Abstract |
サーカディアンリズムの乱れが乳がんリスクを高めるという仮説がある。本研究では幼児期、成人期において生活環境要因の中からcircadian disruptionに関わると考えられる因子と乳がんリスクの指標としての血中、尿中エストロゲン値との関連を評価することを目的としている。本年度は幼稚園児、人間ドック受診者を対象にデータ収集を開始した。起床・就眠時刻、夜間照明暴露状況、食事摂取時刻、勤務時間、運動時間等に関する質問票への回答依頼、早朝尿採取を行っている。成人には血液採取もおこなっている。 また、乳がん検診受診者を対象とした研究では、検診時に撮影されたマンモグラフィー像より画像解析を行い、高密度域の割合(percent density)を求め、サーカディアンリズムの指標である尿中メラトニンとの関連を評価した。また、閉経後の女性を対象に血中エストロゲンと尿中メラトニンとの関連性を評価した。尿中メラトニンが高値ほど乳がんリスクのマーカーであるpercent densityが低いことを期待したが、むしろ統計的に有意でないものの正の関連性が認められた。先行研究では内因性エストロゲン値とpercent densityは関連性がないことが多く、メラトニンのエストロゲンへの影響はマンモグラフィー像には反映されないという解釈もありうる。しかし、閉経後女性でもメラトニンの血中エストロゲンへの影響が示唆されるデータは見出せなかった。但し、就寝時刻とエストロゲン値との弱い関連が認められ、サーカディアンリズムのエストロゲン値への関与は否定できない。
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Research Products
(1 results)