2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳がんリスクとしてのエストロゲン、メラトニンとサーカディアンリズムに関する研究
Project/Area Number |
19390172
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永田 知里 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30283295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 弘之 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (90073139)
武田 則之 朝日大学, 歯学部, 教授 (20163412)
藤田 広志 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10124033)
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Keywords | 乳がん / 睡眠 / エストラジオール / テストステロン / メラトニン / 妊娠 / 幼児 |
Research Abstract |
サーカディアンリズムの乱れが乳がんリスクを高めるという仮説がある。本研究では生活環境要因の中からcircadian disruptionに関わると考えられる因子と乳がんリスクの指標としての血中、尿中エストロゲン値との関連を評価することを目的としている。 妊娠中のエストロゲン暴露が母親のその後の乳がんリスクに影響を与えることが知られている。さらに、出生児の将来の乳がんリスクにも影響するという仮説がある。本年度は妊娠中の母親の睡眠習慣と母体血および臍帯血中のエストロゲン、アンドロゲン値との関連を調べた。解析対象は236名の妊婦で、夜間のメラトニン上昇があると考えられる午前1時以降に就寝する女性はこの時間より前に就寝する女性に比べ、妊娠10週、29週時の血清テストステロン値が有意に高かった。週末の睡眠時間が長い妊娠では29週での血清エストラジオール値が低かった。平日での睡眠時間は臍帯血テストステロン値と有意な負の相関を示した。母親の睡眠時刻や時間が妊娠中のホルモン値に影響を及ぼすことが示唆された。 428名の幼稚園児3-6歳を対象に生活習慣に関するアンケート調査、早朝尿採取を行った。睡眠習慣、尿中ホルモン、尿中メラトニンサルフェートとの関連を評価者した。尿中のエストラジオール、エストロン、テストステロン、DHEAは幼児では非常に低いためLC-MS法で測定した。一般の幼児を対象にホルモン値を測定した研究は少ない。これらのホルモン値は尿中メラトニン値と関連性を示さなかった。また、睡眠時刻、睡眠時間とも尿中メラトニンやホルモン値と関連性は認められなかった。成人において肥満は乳がんの確立されたリスク要因であるが、幼児において尿中ホルモン値はBMIと関連性を示していた。
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Research Products
(1 results)