2007 Fiscal Year Annual Research Report
女性特有のリプロダクティブヘルス及び保健習慣と疾病についての大規模疫学調査
Project/Area Number |
19390180
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
藤田 利治 The Institute of Statistical Mathematics, データ科学研究系, 教授 (30175575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 邦彦 群馬大学, 医学部, 教授 (80282408)
松村 康弘 国立健康・栄養研究所, 情報センター, プロジェクトリーダー (60181757)
李 廷秀 東京大学, 医学系研究科, 講師 (60292728)
片野田 耕太 国立がんセンター研究所, がん対策情報センターがん情報・統計部, 研究員 (00356263)
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Keywords | コホート研究 / 女性看護師 / 既往状况 / 発生率 / 統計的検出力 / 年齢 / 産婦人科疾患 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
本研究は、全国の女性看護職を対象者とした大規模コホート研究である日本ナースヘルス研究(JNHS)の追跡調査とデータマネジメントの継続実施に参加している。本研究では、JNHSのデータの一部を使用して、疾病の既往の実態と、発生頻度が比較的多い疾患(高コレステロール血症、高血圧、子宮筋腫、子宮内膜症、良性乳腺腫瘍など)の発生の実態を明らかにし、リプロダクティブヘルス・保健習慣などとの関連を分析することを目的としている。 平成19年度には、30歳から59歳までの看護職女性従事者(約4万5千人)のデータを用いて5歳階級ごとの各疾患の既往状況を明らかにした。すなわち、既往割合の高い疾患は子宮筋腫(10.0%)、高コレステロール血症(8.2%)、子宮内膜症(5.3%)、高血圧(5.1%)などであり、卵巣がんを除くすべての疾患で5歳階級ごとの既往割合の単調な増加が認められた。子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸がん、良性乳腺腫瘍などの産婦人科疾患は特に30歳代から40歳前半にかけて既往割合が増加し、一方、高血圧、狭心症、脳梗塞、糖尿病、高コレステロール血症、骨粗鬆症などのいわゆる生活習慣病は40歳代後半から50歳代にかけて増加していた。曝露割合が20%のリスク要因についての統計的検出力を計算した結果、10年間の追跡によって子宮筋腫、高コレステロール血症、高血圧、甲状腺疾患、肝炎、胆石症、良性乳腺腫瘍に対する相対リスク1.5以上のわずかなリスク増大を70%以上の確率で検出可能であった。精度の高いJNHS追跡調査を継続することにより、日本女性の健康増進に資する科学的根拠の提供が可能であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)