2007 Fiscal Year Annual Research Report
強心作用に関する新しい分子機序の解明、病態との関連解析と新しい治療法への応用
Project/Area Number |
19390211
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 正明 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00223181)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 勝也 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40343222)
|
Keywords | 心筋ミオシン / リン酸化 / ミオシン軽鎖キナーゼ / ミオシンホスファターゼ / ミオシンホスファターゼ / 心不全 |
Research Abstract |
(1)ミオシンホスファターゼトランスジェニックマウスのフェノタイプの解析 心筋特異的ミオシンポスファターゼトランスジェニックマウス(MP-Tg)を作製した。MP-Tgでは野生型(Wt)に比して、心筋ミオシン軽鎖リン酸化レベルの有意な低下が見られ,左室腔の拡大と収縮力の低下などの拡張型心筋症様のフェノタイプを示し,乳頭筋スキンドファイバーでは収縮のカルシウム感受性低下が認められた。これらの所見により,ミオシンリン酸化レベルの維持は,心筋収縮のカルシウム感受性を制御して,心機能の関与していることが判明した。本モデルに腹部大動脈縮窄による圧負荷をかけると,Wtの心臓が求心性心肥大を呈するのに対して,MP-Tgでは遠心性心拡大を呈し,ミオシンリン酸化が心負荷に適応する際にも機能することが疑われた。 (2)心筋特異的ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)トランスジェニックマウスの作製 心筋特異的MLCKのトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製のため,コンベンショナルなMLCK Tgマウス(Con-MLCK-Tg)用,ならびに成体になってからMLCK活性を誘導できる誘導型MLCK Tgマウス(Ind-MLCK-Tg)用のベクターをそれぞれ構築し,トランスジェニックマウスの作製に取りかかった。 (3)種々の心病態におけるRLCリン酸化レベルの検討 ストレプトゾトシン誘発糖尿病心筋症ラットモデル,アドリアマイシン誘発心筋症ラットモデルを作製して,経時的に心機能などの基礎データを収集した。今後,これらのモデルの各段階における心筋RLCリン酸化レベルを含めた分子マーカーを解析して,これらのマーカーと心不全との関連につき解析する。
|