2009 Fiscal Year Annual Research Report
強心作用に関する新しい分子機序の解明、病態との関連解析と新しい治療法への応用
Project/Area Number |
19390211
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 正明 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00223181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 勝也 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40343222)
岡本 隆二 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60378346)
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Keywords | 心筋ミオシン / リン酸化 / ミオシン軽鎖キナーゼ / ミオシンホスファターゼ / 心不全 |
Research Abstract |
(1)心筋ミオシン軽鎖キナーゼ(cMLCK)の精製と性状解析 マウスcMLCKのcDNAをもとに、バキュロウイルスを用いてリコンビナント蛋白質を発現・精製して、その性状解析を行った。cMLCKはCa^<2+>-カルモデュリン依存性に活性化され、平滑筋MLCK(sMLCK)と比較してミオシン軽鎖に対するKm値は低く、またVmaxは格段に低い分子性状を有していた。心筋細胞では、cMLCKに加えsMLCKも発現されており、心筋ミオシン軽鎖のリン酸化をいずれの酵素が触媒しているかの検討が必要と思われた。cMLCKの発現は、アンジオテンシンIIなどの刺激により変動し、種々の病態でその発現動態が変化していることが疑われた。 (2)心筋特異的cMLCKトランスジェニックマウスの作製 cMLCKの活性フラグメントのトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製した。心筋でcMLCKフラグメントの過剰発現は確認されたが、MLCK活性の上昇は確認されず、また心筋ミオシン軽鎖(RLC)リン酸化レベルも野生型マウスと変化が見られなかった。MLCK活性が見られなかった原因は不明である。この結果を踏まえ、今後本プロジェクトを遂行する上で、cMLCKの発現量に差のあるマウスを用いたin vivo研究に変更することを計画し、現在スクリーニング中である。 (3)心不全病態におけるRLCリン酸化レベルの検討 種々の心不全モデルの各段階における心筋RLCリン酸化レベルを含めた分子マーカーを解析して、これらのマーカーと心不全との関連につき解析を進めている。
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Research Products
(8 results)