2007 Fiscal Year Annual Research Report
F-18 フルオロデオキシマンノース(FDM)によるPETがん診断法の開発
Project/Area Number |
19390312
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福田 寛 Tohoku University, 加齢医学研究所, 教授 (30125645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (60143038)
吉岡 孝志 山形大学, 医学部, 教授 (90271981)
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Keywords | PET / がん画像診断 / デオキシマンノース / デオキシグルコース |
Research Abstract |
^<18>F標識2-フロロデオキシマンノース(^<18>F-FDM)は、^<18>F-FDGと比較してC-2のFの立体配座のみが異なる構造異性体であり、^<18>F-FDGと同程度に腫瘍集積性を示す一方で、小腸や脳への集積性が低く、また血中からの消失速度も速い特徴を有する。従来、^<18>F-FDMは^<18>F-F2を使ったFDG合成法における副産物として合成されたが、比放射能および収量が低くなるという欠点があった。将来的に^<18>F-FDMの臨床研究への展開を考慮した場合、効率的な18F-FDM標識合成法の確立が求められる。そこで本年度は、^<18>F-の求各置換反応により効率的に^<18>F-FDMを合成できるように、新規FDM標識前駆体の開発を行った。前駆体の構造としては、C-2以外の水酸基をAc基で保護し、C-2位に脱離基としてBr、I、OTf基を有する2-デオキシグルコース(DG)誘導体の合成を目指した。BrおよびI基を脱離基に持つ前駆体は、それぞれTBAB、TBAIを求核剤として、1,3,4,6-テトラ-0-アセチル-2-0-Tf-マンノース(FDG前駆体)に対するSN2反応により収率よく合成することに成功した。一方、OTf基を有するFDM前駆体については、まず、Dickの方法に従いペンタアセチルグルコースを出発原料としてそのC-1位を塩化アルミニウムによりCl化した後、加水分解により1,3,4,6-テトラ-0-アセチルグルコースを合成した。そしてC-2のOH基をTf20によりTf化し、目的とする2-0-Tf-FDM前駆体の合成に成功した。以上、本研究により開発した前駆体を用いれば理論的に既存の効率的FDG標識合成法や合成装置を利用することが可能となり、比放射能に優れたFDMを高収量で標識合成できるようになると期待される。次年度以降は、標識合成法のつめを行うとともに、腫瘍集積性、正常臓器分布などの生物学的特性の評価を行うことにする。
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