2007 Fiscal Year Annual Research Report
多機能センシングナノビーズを用いた乳がん手術の開発
Project/Area Number |
19390329
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 孝宣 Tohoku University, 病院, 講師 (70323011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 元博 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10333808)
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
小林 芳男 茨城大学, 工学部, 教授 (40250849)
小林 正樹 東北工業大学, 工学部, 教授 (90332981)
大原 智 東北大学, 多元物資科学研究所, 助教 (00396532)
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Keywords | ナノテクノロジー / 乳癌 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
本研究では多種の機能を持つナノ粒子を用いることで超精細な乳がん手術を可能とする新しい技術の開発を目指す。がん病巣に対してはがん特異的抗体、ならびにセンチネルリンパ節検出に最適な粒径を持つナノ粒子を作成する。さらに、比較的長時間標的に留まる蛍光、X線、MRIに利用可能な多機能造影剤を開発する。そして、単一造影剤による術前のX線CT、MRIによるがん病巣検査、術中の精密な病変の蛍光検出技術ならびに蛍光センチネルリンパ節生検法も合わせて確立する。 本年度はがん病巣に到達した後のナノ粒子の動態を明らかにするため、腫瘍間質におけるナノ粒子の動態を粒子径20nm,40nm,100nm毎に腫瘍血管付近、腫瘍間質、細胞間においてそれぞれ検討し、それぞれの場所におけるリンパ流と拡散の影響の相違を初めて明らかにした。その中で粒径20nmの粒子はいずれの場所でもリンパ流に乗って移動するが、100nmの粒子は腫瘍間質、細胞間ではリンパ流の影響はほとんど受けず、ほぼ拡散運動を示した。この結果によりセンシングナノビーズの薬物動態(DDS)を決める上で重要な知見を得ることができた。また、X線造影剤として作製したシリカコーティングヨウ化銀ビーズを用い、腫瘍造影並びに体内動態の解明に成功した。これにより、ナノ粒子のコーティング毎の体内動態を明らかにする手法が確立できた。 以上のように多機能センシングビーズの開発、特にその安全性、有効性の確立に向けて着実に進捗している。
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Research Products
(6 results)