2009 Fiscal Year Annual Research Report
多機能センシングナノビーズを用いた乳がん手術の開発
Project/Area Number |
19390329
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 孝宣 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00292318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 元博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10333808)
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
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Keywords | センシングナノビーズ / 乳がん / 蛍光ナノビーズ / シリカコーティング |
Research Abstract |
我々は機能性ナノ粒子を用いた新しい計測技術を開発し、乳がんの外科治療への応用を検討している。乳がんの外科治療においては病巣のマーキングとセンチネルリンパ節生検が主な応用として考えられる。またがん病巣への取り込みには能動的取り込みと受動的取り込みが考えられる。能動的取り込みとして、最適な粒径を与えることで取り込みが期待できる、enhanced permeability and retention (EPR)効果、能動的取り込みとして、trastuzumab等を利用した抗腫瘍抗体結合マーカーの利用が挙げられる。 今回、腫瘍への最適な取り込みサイズに関し、我々は20、40、100、200nmの各種サイズの取り込み効果を検証するため移植乳がん腫瘍内動態を、超高精度1粒子蛍光計測システムを用いて計測した。その結果、粒径200nmの粒子は血管外に漏出せず、20,40,100nmの粒子が腫瘍間質に漏出することが明らかになった。また、腫瘍間質においても、血管近傍と細胞間とでは粒径によって動態が大きく異なることを明らかにした。(Breast Cancer Res.2009)この結果はがん手術のみならず、抗がん剤の動態、薬剤耐性のメカニズム解明および解決、生体内での様々な分子動態、メカニズムの解明にもつながるものと期待される。 更に蛍光を発する量子ドットを用いて鏡視下でのセンチネルリンパ節蛍光検出を試み、ナノ粒子は長時間にわたってセンチネルリンパ節、特にリンパ管流入部に滞留することを示した。これによりセンチネルリンパ節の転移を起こし得る場所を精細に特定できることがわかった。更にリンパ節内のリンパ球に対する抗体を用いて特定の細胞を標識できることを示した。(Nanotechnology, in press)以上により、この手法は病巣検出においても有効であり、将来乳がんの外科手術において、EPR効果にtrastuzumab等による能動的腫瘍検出能を組み合わせた病巣の可視化による精細な外科手術の実現が期待される。
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Research Products
(9 results)