2007 Fiscal Year Annual Research Report
アデノ随伴ウイルスベクターを応用した脳神経疾患に対する細胞造伝子療法
Project/Area Number |
19390383
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
岡田 尚巳 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所・遺伝子疾患治療研究部, 室長 (00326828)
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Keywords | AAVベクター / 遺伝子治療 / 神経筋疾患 |
Research Abstract |
脳神経疾患に対する新規治療法の開発に向け、AAVベクターを応用した細胞遺伝子療法の有効性と安全性が期待される。この治療遺伝子送達系の安全性と有効性を検証するため、効率の高いベクター産生法の開発や遺伝子導入実験を行った。ベクター作製効率め高い宿主細胞を開発するため、E1B19kの機能を補完.するBcl-x_Lを恒常的に発現する293細胞を構築した。この細胞にさらにアデノウイルス初期遺伝子E1を補充し、ベクタープラスミドおよびヘルパープラスミドの導入後に得られたベクターの力価を検証した。この結果、ベクター作製効率が有意に向上し、大規模培養系にてその効果を確認した。この効果は、E1B55kを欠失させたE1遺伝子発現プラスミドを用いた場合も同様に認められ、E1B55kの機能はAAVベクターの複製においては必須でないと考えられた。また、高品質のAAVベクター作製システムとして、イオン交換膜を応用した精製法に工夫を加え、培養上清からのベクターの回収方法を開発した。培養上清から回収したベクターは、従来法を用いて細胞から回収したベクターよりも収率が高く、高純度であった。同様に、間葉系幹細胞にベクタープラスミドおよびヘルパープラスミドを導入し、ベクターの複製に有効な遺伝子導入条件を検討した。さらに、AAVベクターを応用した治療実験として、蛋白質補充療法による炎症制御を行い、高血圧性臓器障害の予防効果を検証した。ダール食塩感受性ラットや脳卒中易発症性高血圧自然発症ラットに1型AAVベクターの筋肉内投与によるIL-10補充療法を行い、高血圧、腎機能障害、脳卒中発作の予防効果を証明した。
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Research Products
(19 results)