2008 Fiscal Year Annual Research Report
制限増殖型ウイルス治療におけるPETを用いた新規評価法の開発
Project/Area Number |
19390420
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 章暢 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (70283885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 秀治 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10457103)
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Keywords | 前立腺癌 / 遺伝子治療 / PET / [^<18>F]FDG / [^<18>F]FHBG |
Research Abstract |
マウス前立腺癌モデルに対する遺伝子治療の治療効果ならびに遺伝子導入効率を評価するために、フッ素18標識フルオロデオキシグルコース([^<18>F]FDG)をトレーサーとして用いたPositron Emission Tmography(PET)撮影を施行し、コントロール群と遺伝子治療群について[^<18>F]FDGの集積を比較し治療効果判定を行った。まず、Balb/Cヌードマウスを用いてヒト前立腺癌細胞株であるPC-3の皮下腫瘍を形成した。腫瘍径が5mmとなった時点で、コントロール群ではPBSを、治療群では1.0×10^9plaque-formingunit(PFU)の非増殖型アデノウイルスベクター(Ad-CMVsr39TK)および制限増殖型アデノウイルスベクター(Ad-CMVsr39TK-OCE1a)を治療1日目、8日目の計2回皮下腫瘍内に注入した。また、マウス腹腔内には10mg/kg/日のアシクロビルを1日目から21日目まで投与した。治療前、治療後8、15、21及び28日目に[^<18>F]FDGを尾静脈から投与し、経時的にPET撮影を施行した。コントロール群は、腫瘍部位に一致して[18F]FDGが高い集積を示したが治療群では、腫瘍部位への[18F]FDG集積が低く、その傾向はAd-CMVsr39TKと比較してAd-CMVsr39TK-OCElaで顕著であった。一方、マウス前立腺癌モデルに対する遺伝子導入効率を評価するために、PC-3皮下腫瘍モデルにPBS、Ad-CMVsr39TKおよびAd-CMVsr39TK-OCElaを治療1日目、8日目の計2回皮下腫瘍内に注入し、治療後1、4、10、16及び28日目にフッ素18で標識したグアニン誘導体([^<18>F]FHBG)を用いたPET撮影を施行することで、治療部位におけるHSV-sr39TKの発現を検討した。コントロール群と比較して治療群では、治療部位に[^<18>F]FHBGの高い集積を認め、その傾向はAd-CMVsr39TKと比較してAd-CMVsr39TK-OCElaで顕著であった。さらに、Ad-CMVsr39TK-OCEla群では、時間経過に伴って[18F]FHBG集積部位の拡大を認めた。以上から、[^<18>F]FDGを用いたPET撮影は、遺伝子治療における抗腫瘍効果の画像評価として有用であり、また[^<18>F]FHBGを用いたPET撮影は、遺伝子導入効率の評価法として有用であると考えられた。
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Research Products
(20 results)