2009 Fiscal Year Annual Research Report
インディアンヘッジホッグシグナルによる骨芽細胞分化誘導の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
19390473
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 理行 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (60294112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 俊之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80142313)
波多 賢二 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80444496)
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Keywords | 骨芽細胞 / Ihh / Gli |
Research Abstract |
1. IhhシグナルとSox9のクロストーク 研究代表者らは、前年度に、Ihhが軟骨細胞の分化、特に石灰化などの後期分化を著しく促進することを見出した。この作用は、PTHrPに非依存性であった。過去の研究によって、IhhがPTHrPの発現を促し、その結果、後期分化を抑制することが示されている。そこでこの相反する事象を分子レベルで明らかにするために、IhhのPTHrP産生の分子メカニズムを検討した。その結果、Ihhは、Gliシグナルを活性化し、GliはSox9ファミリーと相互関係することにより、PTHrP産生を著明に促進することが見いだされた。さらにSox9ファミリーがPTHrPプロモーター領域に直接結合し、その転写活性を著しく促進することが明らかとなった。このPTHrP誘導効果は、ドミナントネガティブSox9の過剰発現、シクロパミン処理、あるいは、ドミナントネガティブG1i2の過剰発現により抑制された。したがって、PTHrPは、Sox9の新たな転写ターゲットとして同定され、さらにIhhシグナルとSox9のクロストークが重要な役割を担っていることが強く示唆された。 2. IhhシグナルとRunx2のクロストーク 次に、IhhのPTHrP非依存性の作用を理解するために、IhhシグナルとRunx2の相互関係を検討した。その結果、Ihhは、Runx2と協調して、軟骨細胞分化を促進することが示唆された。したがって、Ihhシグナルが、PTHrP依存性およびPTHrP非依存性の方向性は、Sox9とRunx2の濃度勾配によって支配されていると考えられた。
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