2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病における非翻訳RNAの統合的機能解析-細菌と宿主細胞との相互作用を中心に
Project/Area Number |
19390478
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
苔口 進 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10144776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 龍生 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20252984)
村上 純 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40362983)
狩山 玲子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40112148)
西村 英紀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80208222)
前田 博史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00274001)
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Keywords | 歯周病細菌 / 宿主細胞 / Aggregatibacter actinomyctemcomitans / Porphyromonas gingivalis / 非翻訳RNA / non-coding RNA |
Research Abstract |
遺伝子発現制御新規分子としてsmall non-coding RNA (ncRNA)が注目されている。またRNAシャペロン蛋白はncRNAを安定化させ、標的mRNAの制御に関わる。コレラ菌や緑膿菌ではncRNAによる遺伝子制御機構が病原性に関係している。そこで、今年度は歯周病細菌Aggregatibacter actinomycetemcomitans (Aa)およびPorphyromonas gingivalis (Pg)におけるncRNAおよびRNAシャペロン蛋白について検討した。 AaおよびPgの全ゲノム配列と大腸菌で既報の80種のncRNAおよびRNAシャペロンhfqとrsmA (csrA)配列の相同性を検索した。ncRNA候補遺伝子発現はRT-PCR法で検出した。Aa ATCC29523株のRNAシャペロンhfqとrsmA (csrA)様遺伝子欠損株を作成した。それぞれの遺伝子欠損株とATCC29523株の菌体蛋白を二次元電気泳動法によって解析した。Aaにのみ大腸菌のncRNAと相同性(60%以上)を示す8個のAa ncRNA候補遺伝子とRNAシャペロンであるhfqとrsmA (csrA)様遺伝子を同定し、3候補(ssrA、ffs、ssrS)の発現をRT-PCR法で確認した。hfq様遺伝子欠損株では6つの蛋白スポットとrsmA (csrA)様遺伝子欠損株では5つの蛋白スポットで蛋白発現量が増加していた。nRNAがRNAシャペロンを介してのmRNAサイレンシングに関与し、Aaにおいても他の病原細菌と同様にncRNAによる遺伝子制御機構の存在が示唆された。 培養ヒト歯肉線維芽細胞や実験動物歯周炎モデルにおけるmicroRNA発現様態ついて解析を進め、歯周病感染炎症病態に発現するncRNAの役割や機序について宿主と病原体の両面から今後、検討して行きたい。
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Research Products
(6 results)