2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨/血管新生誘導因子徐放化システムを組込んだインプラントによる迅速的周囲骨再生
Project/Area Number |
19390494
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢谷 博文 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授 (80174530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30379078)
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Keywords | インプラント / 骨再生 / 薬剤徐放 / ペプチド / b-FGF |
Research Abstract |
本研究課題は,チタンインプラント体に設けた内空に生理活性物質を含んだキャリアーを組込み,チタン表面に通じる細孔から骨・血管新生を誘導する生理活性物質を徐放することで埋入部周辺の骨再生を誘導する技術を確立することを目的としている。今年度は,従来のゼラチン水和ゲルを用いたb-FGFの徐放を改良するために,京都大学再生医科学研究所の田畑泰彦教授の開発した新規βTCP配合ゼラチンスポンジキャリアーの利用を検討した。この新規キャリアーを用いてラットの大腿骨に埋入したインプラント体からb-FGFを徐放した結果,3週間後のインプラント体周囲には著明な骨組織の新生を認めた。また,生理活性物質を用いた間葉系幹細胞の骨分化誘導がDNAメチル化などに影響を及ぼしている可能性についても検討を行いその関与を示唆する所見が得られた。さらに,骨再生において分子量の大きいb-FGF蛋白の代わりとなる小分子生理活性物質として,昨年度までに有用性を示唆してきたSVVYGLR血管新生ペプチドに着目し,このペプチドが前駆骨芽細胞を含むヒト間葉系細胞に及ぼす影響を検討した。その結果,合成SVVYGLRペプチドは,間葉系細胞表面のインテグリンαVβ3を介して細胞付着・増殖能を促進する作用を有することが明らかとなった。このペプチドは間葉系幹細胞の骨芽細胞分化には影響は及ぼさなかったが,ヒト問葉系幹細胞の細胞接着・細胞増殖を促進する因子として骨組織再生に促進的に作用する可能性が高い。現在,このペプチドが破骨細胞の分化に抑制的に作用するデータが揃い始めており,in vivo動物実験での検証を併せて行う予定である。
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Research Products
(3 results)