2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨髓間質由来成体幹細胞の歯原性細胞への分化誘導と歯の再生医療への応用
Project/Area Number |
19390518
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長山 勝 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイサイエンス研究部, 教授 (30022867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里村 一人 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (80243715)
工藤 景子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70380029)
徳山 麗子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20380090)
湯浅 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70332822)
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Keywords | 再生医療 / 成体幹細胞 / 歯の再生 / 再分化 / 分化転換 / 歯原性細胞 |
Research Abstract |
現在の歯科医療において歯の喪失に対する加療は義歯やインプラントなどの人工物による機能補填が大部分である。そのとき人類の福祉とQOLのさらなる向上を図る上で歯の再生医療の実現は大きな意味を持つ。この際再生医療実現のための幹細胞の供給源として期待されてきたES細胞や組織特具的幹細胞に代わり、患者自身の身体を構成している最終分化した機能細胞がなお分化の可塑性を有している可能性に着目し、生体内においては本来最終分化した機能細胞を歯原性細胞に再分化させ歯の再生に応用できる可能性につき検討した。まず、マウスの歯胚より歯乳頭細胞、歯小嚢細胞、歯原性上皮細胞を分離し、これらを安定し培養できる条件を獲得した。さらにこれらの細胞を用いて、種々の細胞外基質(コラーゲンIV、フィプロネクチン、ラミニン、マトリゲル、エナメル基質蛋白)を含むメンブレンを中間におき、一方に間葉系歯胚細胞、もう一方に上皮性歯胚細胞をシート上に培養し、生体内により近い環境を作ることに成功し、三次元細胞塊を形成させた。これにより歯原性上皮-間葉間の分化の相互誘導が可能となり、実験系を構築できた。この三次元構築を用いて、今度はマウス骨髄より骨髄間質由来成体幹細胞を分離し、培養系を確立した上で、三次元構築の歯胚細胞の代わりに播種し、各種マトリックスにより培養したところ、いくつかのマトリックスで骨髄間質由来成体幹細胞が歯原性上皮に分化誘導されることを確認した。今後はこの誘導系を用いて誘導された細胞を、マウス生体内に移植し、移植細胞の分布・局在、分化について検討する。また、マトリックスを用いることで、誘導のシグナルを発現すると思われる間葉系歯胚細胞や歯原性上皮細胞を用いることなく、歯原性細胞への分化誘導が可能かどうかに付き検討する予定である。
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