2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における癌関連遺伝子のスフライシング異常の検討
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19390521
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
杉原 一正 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00117516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上川 善昭 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30332901)
坂元 亮一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60452950)
浜田 倫史 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00444894)
上川 泰子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教務職員 (70253903)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 癌抑制遺伝子 / 異常メチル化 / スプライシング / p16 / FHIT / E-cadherin / リンパ節転移 |
Research Abstract |
口腔癌および前癌病変患者32例と口腔病変のない健常者22例より口腔含の嗽液を採取し、口腔扁平上皮癌においてDNAメチル化が報告されているp16、DAPK、E-cadherin、p15、FHIT、SPARCの6つの癌抑制遺伝子について検索した。すなわち、口腔嗽液から抽出したDNAは、バイサルファイト処理を行い、エピジェネテイクス異常をメチル化特異的PCR法(MSP法)にてメチル化の判定を行った。 その結果、6つの癌抑制遺伝子のうち口腔癌患者1例当たり、平均2.84個の異常メチル化遺伝子を認めたのに対して、健常者の異常メチル化遺伝子数は2.18個と減少していた。すなわち、口腔癌患者では健常者に比較して、異常メチル化遺伝子数が多く認められた。口腔癌患者と健常者における癌抑制遺伝子の異常メチル化発現との比較では、p16、E-cadherin、FHITにおいて口腔癌患者に異常メチル化を有意に認めたが、他の3つの遺伝子には有意差を認めなかった。口腔癌患者と健常者における異常メチル化の癌抑制遺伝子数では、口腔癌患者において3つ以上の癌抑制遺伝子の異常メチル化が認められた。以上の結果より、口腔癌患者ではp16、E-cadherin、FHITの癌抑制遺伝子の異常メチル化が有意に発現しており、リンパ節転移を有する口腔癌患者では、多数の癌抑制遺伝子の異常メチル化が認められたことより、口腔癌における異常メチル化発現は口腔癌の診断と予後予測因子のひとつになりうる可能性が示唆された。
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