2007 Fiscal Year Annual Research Report
エキソサイトーシス制御を基盤とした新しい歯周病治療法の開発
Project/Area Number |
19390538
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
松下 健二 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引頭 毅 国立長寿医療センター(研究所), 口腔疾患研究部, 室長 (10360918)
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Keywords | 歯周免疾機能学 / 膜輸送 / 医薬分子設計 / 細胞情報伝達機構 |
Research Abstract |
本研究では、口腔粘膜におけるエキソサイトーシスの役割、特に歯肉上皮細胞のエキソサイトーシスについてその詳細を明らかにするとともに、エキソサイトーシス制御を基盤とした新しい歯周病予防、治療法の可能性について検討することを目的とした。本年度は、歯周病源細菌であるPorphyromonas gingivalis(P.g.)が歯肉上皮細胞の分泌する抗菌ペプチドSecretory Leucocyte Piotease Inhibitor (SLPI)の分泌およびSLPIの活性にどのような影響を及ぼすか、また歯周病源細菌の重要な病原因子であるリポタイコ酸(LTA)およびリポ多糖(LPS)による宿主細胞からのエキソサイトーシス誘導が、どのように制御されているかを検討した。その結果、P.g.全菌体を歯肉上皮細胞に添加すると、用量依存性に歯肉上細胞から分泌されるSLPI量が減少することが明らかになった。また、その抑制効果は、P.g.菌を熱処理すること、あるいはプロテアーゼ阻害剤と同時投与することにより減弱したことから、P.g.菌体中のプロテアーゼがその効果をもたらしていることが明らかになった。その後の詳細な検討からその分子はP.g.菌の産生するトリプシン様酵素gngipainであることが明らかになった。また、LTAやLPSは炎症性サイトカインの一種であるIL-8のエキソサイトーシスを誘導するが、それが-酸化窒素で制御されていることが明らかになった。また、その作用は、LTAおよびLPSの共通のシグナル伝達分子であるMyD88分子がNOによってS-ニトロシル化されることによる可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)