2008 Fiscal Year Annual Research Report
エキソサイトーシス制御を基盤とした新しい歯周病治療法の開発
Project/Area Number |
19390538
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
松下 健二 National Institute for Longevity Sciences,NCGG, 口腔疾患研究部, 部長 (90253898)
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Keywords | 免疫・感染・炎症 / 炎症性サイトカイン / 高血圧 / 歯周病 / 開口放出 |
Research Abstract |
サイトカインおよびホルモンによるエキソサイトーシス制御の可能性について検討した。まず、T細胞のサブセットの一種であるTH2細胞の産生するInterleukin(IL)-4の影響を調べた。その結果、IL-4は血管内皮細胞におけるP-selectinやeotaxin-3の分泌を増強したが、その一方、IL-8とAngiopoietin-2の分泌は、強力に抑制された。siRNAを用いた実験結果から、IL-4によるエキソサイトーシスの抑制は、STAT-6-SOCS-1シグナルの活性化によることが明らかになった。以上の結果は、慢性歯周炎の組織に有意に多く認められるTH2細胞がエキソサイトーシスを修飾することによって、歯周炎の病態をコントロールしている可能性を示唆している。次に、高血圧によるエキソサイトーシス亢進の機序を明らかにした。すなわち昇圧性ホルモンとして知られるアルドステロンがエキソサイトーシスを亢進すること、またそれがミネラルコルチコイド受容体(MR)を介して起こることを明らかにした。次に、アルドステロンの刺激によって血管内皮細胞への白血球の付着が亢進することを明らかにした。以上の結果は、アルドステロンの上昇によって炎症反応が惹起されることを示している。昨今、歯周病と高血圧の関連性が指摘されてきているが、本研究の結果は両者の因果関係の一端を明らかにしたものであると考えられる。現在、これらの分子を標的としたエキソサイトーシス制御法に関する研究を継続中である。
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Research Products
(6 results)