2008 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット情報に翻弄される患者、家族を支援する看護職のためのeラーニング開発
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19390552
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
中山 和弘 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 教授 (50222170)
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Keywords | ヘルスリテラシー / ヘルスコミュニケーション / Web / 保健医療情報学 / 消費者健康情報学 / 看護情報学 / 意思決定支援 / 保健医療社会学 |
Research Abstract |
目的:昨年度、Webの情報を収集、理解し、意思決定する上で、かえって混乱してしまう人々が存在していることが明らかになった。Webの情報に翻弄されないために、患者・家族・国民のヘルスリテラシーの向上を支援するには、Webの情報に何を求めているのかというそのニーズと、それにどのように対応していき、どのような結果になっていったのかというプロセスの明確化が必要である。そこで、オープンで誰もが参加できるWeb2.0型のQ&Aサイトに投稿された質問と回答を利用して、患者や家族などが、Web上の情報によってかえって混乱した事例について、それがいつ、なぜ起こり、いかに支援可能なのかを明らかにすることを目的とした。 方法:昨年度同様、Web2.0型のQ&Aサイト「OKWave」を利用した。そこでの分類軸としては、(1)質問者がWebの健康情報を利用した時期、(2)質問者がWebで情報を見た後でどのような問題や不安が生じたか、(3)質問者が問題に直面し,何を知りたいと考えられるか、(4)質問者への回答で良回答が得られたものからみた支援方法の4項目とした。 結果と考察:質問と回答を整理するなかから、医療者から提供されなかった情報や聞きたくても医療者には聞けないことが浮かび上がってくる可能性が示唆された。それにより、臨床では一時点一時点という点でしか関われないことの多い医療者が、その間の対象者による情報の獲得と意思決定のプロセスを知ることで、それらの点を結ぶような支援のあり方を考えることができると考えられた。 とくにそれを事例集として完成させれば、様々な事例の存在を確認でき、実際のコミュニケーションのあり方に貢献できると思われた。今後はさらに洗練することで、ヘルスリテラシーの獲得やその支援、医療者と患者の適切なコミュニケーションのあり方に関する理論化の可能性も模索したい。
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Research Products
(7 results)