2007 Fiscal Year Annual Research Report
正期産母子に対する分娩直後のカンガルーケアの問題と安全性並びに快適性に関する研究
Project/Area Number |
19390557
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
坂口 けさみ Shinshu University, 医学部, 教授 (20215619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 雅美 信州大学, 医学部, 教授 (50262738)
湯本 敦子 信州大学, 医学部, 准教授 (10252115)
芳賀 亜紀子 信州大学, 医学部, 助手 (10436892)
金井 誠 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (60214425)
市川 元基 信州大学, 医学部, 教授 (60223088)
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Keywords | 正期産 / 母子 / カンガルーケア / 安全性 / 快適性 |
Research Abstract |
わが国で少子化が急速に進行している。臨床では母親、またその家族にとって出産は安全で、かつ次に続く育児への良い出発の機会となるよう様々な取り組みが行われている。その代表的なケアの1つにカンガルーケアがあり、現在正期産母子の場に急速に拡大しつつある。しかしカンガルーケアの取り組みは施設によってまちまちであり、カンガルーケアを実施する際の基準や具体的な手順等も明確なものが未だ作成されていないのが現状である。そこで本研究では分娩を直接扱っている医療機関2889施設を対象に、分娩直後の正期産母子に対して行われるカンガルーケアの実施状況について全国調査を行った。回収率は40.6%であり、1125施設から回答があった。カンガルーケアは現在66.9%の施設で導入されていた。カンガルーケア実施の基準が施設で作られているかについて聞くと、あると回答した施設は30%であった。カンガルーケア中の管理体制についてみると、74.9%の施設は児に対してモニターの装着をしないなど何もしていないと回答した。そこでカンガルーケア中に児の異常が認められたために中断したことがあるかについて尋ねると、41.5%の施設が中断したことがあると回答した。その上、児の状態が回復せず、小児専門機関へ搬送した例について尋ねると、65施設があると回答した。なお、カンガルーケアを取り入れていない施設における分娩直後の児の異常の経験と、カンガルーケアを導入している施設における児の異常の経験割合を比較してみると、後者の方が児の異常の割合は有意に高かった。このことら、カンガルーケアの安全性と快適性を確保するためのカンガルーケアの基準作りが急がれる。
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