2009 Fiscal Year Annual Research Report
正期産母子に対する分娩直後のカンガルーケアの問題と安全性並びに快適性に関する研究
Project/Area Number |
19390557
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
坂口 けさみ Shinshu University, 医学部, 教授 (20215619)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 雅美 信州大学, 医学部, 教授 (50262738)
芳賀 亜紀子 信州大学, 医学部, 助教 (10436892)
島田 三恵子 大阪大学, 医学部, 教授 (40262802)
徳武 千足 信州大学, 医学部, 助教 (00464090)
湯本 敦子 信州大学, 医学部, 准教授 (10252115)
|
Keywords | 正期産 / 母子 / カンガルーケア / 安全性 / 快適性 |
Research Abstract |
わが国では少子化が急速に進行している。臨床では母親、またその家族にとって出産は安全で、かつ次に続く育児への良い出発の機会となるよう様々な取り組みが行われている。その代表的なケアの1つにカンガルーケアがあり、現在正期産母子の場に急速に拡大しつつある。しかしカンガルーケアの取り組みは施設によってまちまちであり、カンガルーケアを実施する際の基準や具体的な手順等も明確なものが未だ作成されていないのが現状である。そこで本研究では分娩を直接扱っている医療機関2889施設を対象に、分娩直後の正期産母子に対して行われるカンガルーケアの実施状況についてすでに行っている全国調査の解析を深めた。その結果、カンガルーケア中に児の異常が認められたために中断したことがあると回答した施設でもその後に方法の見直し等を行った施設は少ないことが明らかになった。また児に異常が認められ、緊急搬送された事例の約1/3に心疾患などの異常のあることも明らかとなった。カンガルーケア中の児の生理的変化についても分析を深めた。SpO2の変化をみると、生後およそ10~20分後には正常域に逹していたが、分娩が遷延したり、羊水混濁を認める児ではSpO2の上昇は緩徐であった。また羊水混濁を有する児の自律神経機能をみると、副交感神経活動はほとんど認められず、交感神経のみが緊張するパターンが示された。さらに今年度はカンガルーケアを実施しない児の生理的変化および自律神経機能についてデータ収集を行いカンガルーケア群と比較検討を行った。その結果、正常に推移した児の場合ではほぼ同様のパターンが示された。
|
Research Products
(7 results)