2007 Fiscal Year Annual Research Report
スワヒリ語圏における超民族語と諸民族語の相克と均衡-言語文化的動態の記述を通して
Project/Area Number |
19401022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 久 Osaka University, 世界言語研究センター, 教授 (00144543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 淳子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (10376824)
竹村 景子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (20252736)
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Keywords | 言語学 / サハラ以南アフリカ / スワヒリ語圏 / スワヒリ語諸方言 / バントゥ諸語 / 民族語 |
Research Abstract |
平成19年度は、研究代表者・研究分担者・研究協力者7名を8回にわたってタンザニア・ケニアおよびギニアに派遣し現地でスワヒリ語諸方言、民族語記述調査、さらに、それらの社会言語学的な調査等を実施した.また、それぞれ関係資料の収集を行なっている.より具体的に調査地と調査内容を述べると、タンザニアでは、ザンジバルでスワヒリ語諸方言調査を、モシでスワヒリ語と民族語との関係の予備的調査を、ダルエスサラームで関係文献の収集と同時にダルエスサラーム大学で研究者と学術的な交流を行なっている.タンガとムヘザのミジケンダ社会でスワヒリ語方言調査や文化人類学的調査を、ルショトでマア語とその周辺言語の記述を行なっている.ケニアでは、ラムでスワヒリ語の社会言語学的調査を行ない,ナイロビでスワヒリ語関係の文献資料収集を行なった.また、比較対照することによって、東アフリカの社会言語学的状況をより明らかなものとするために、西アフリカの言語社会的調査をコナクリ(ギニア)で行なった. それらの調査研究は、スワヒリ語標準語と同諸方言間,スワヒリ語と諸民族語間との言語接触の状況を明らかにし、言語文化的な動態を捉えようとするものである.加えて,1950年代に東アフリカスワヒリ語委員会がいくつかのスワヒリ語方言の調査をはじめ,5点の方言調査報告書が出されたが,統一的な記述方式を取っておらず,方言相互の比較が難しい.それも途中で放棄され,東アフリカ諸国が独立した後,方言調査は個人レベルはさておき,組織的になされてこなかった.本研究では,スワヒリ語諸方言を統一的な記述の元にデータを集積し公開することを目指している.
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