2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国浙江省における戦国大名沈没船に関する日・中共同研究
Project/Area Number |
19401026
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
鹿毛 敏夫 Niihama National College of Technology, 一般教養科, 准教授 (60413853)
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Keywords | 戦国大名 / 沈没船 / 国際情報交換 / 中国 |
Research Abstract |
本研究2年目にあたる今年度の研究成果は以下の通りである。 まず第1は、中国浙江省舟山島の現地調査において、研究の主対象である戦国大名沈没船の時代に関わる考古遺物を確認できたことである。船が沈んだ岑港の16世紀の遺物として、鉄砲弾、大砲弾、権、陶磁器片、その他複数の遺物が確認され、研究を大きく推進することができた。次年度以降、各遺物を詳細に分析するとともに、より幅広く遺構の確認作業を進めていく必要がある。 第2は、船の母港である豊後府内の都市空間構造の解明を進めることができたことである。研究協力者との共同作業により、都市中心部の空間構造が段階的に明らかにされ、また、海に面する外港の機能も明確化されてきた。次年度以降も、文献史学と考古学の双方の成果を照合させて、より一層の構造解明を進めていく予定である。 第3は、中国の研究者との情報交換を深める体制が一層強化されたことである。今年度、現地に近い浙江工商大学、および寧波大学で開催された2つの国際シンポジウムで本研究の趣旨と研究状況を発表したが、その成果もあり、同じ研究志向をもつ複数の中国人研究者と情報交換を行うことができた。今後、更に国際的連携を深めて、研究の推進をはかっていきたい。 一方、これまでの研究では、沈没船研究や海域交流史研究の比較史的考察の推進が遅れているため、次年度以降に強化していく必要がある。
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Research Products
(5 results)