2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラオス地方文書とオーラル・ヒストリーの組織的収集・保存体制の構築
Project/Area Number |
19401027
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増原 善之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 研究員 (90378828)
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Keywords | 東洋史 / ラオス / 地方文書 / オーラル・ヒストリー / ランサン王国 |
Research Abstract |
平成22年度は、現地調査は行わず、もっぱら過去3年間に収集した録音のテープ起こし、データの整理・分析を行った。最終的にラオス国フアパン県およびサワンナケート県内の16郡42村において採録された村の歴史や土地の伝承等のすべてについてテープ起こしを行うことができた。一方、現地調査において発見されたフランス植民地時代以前の地方文書の翻字を行うとともに、地方行政に関わる物品、すなわち、文書筒3点および印章7点についてデータの整理を行った。以上のような研究成果を発表するために、2010年12月にラオス国立大学ラオス・日本センターにおいてワークショップを開催し、研究代表者(増原)および現地調査に参加してくれたラオス国立大学教員4名の計5名が成果発表を行った。発表題目は、(1)フアパン県サムヌア郡ムアン・ウェーン村民の生活様式について、(2)サワンナケート県アーサポーン郡パッカニャー村におけるプータイ族の文化について、(3)フアパン県ビエンサイ郡ソーイ村の赤タイ族およびビエントーン郡タムラーヌア村におけるプアン族の生活様式について、(4)ランサン王国時代の行政文書について、(5)ラオスにおける民間伝承の採録について、であった。なお、このワークショップには、ラオス国立大学の教員・学生および内外の研究者およそ90名が参加し、活発な意見交換が行われた。さらに、2011年3月には本研究により収集されたデータおよび上記ワークショップの発表原稿を取りまとめた報告書The Collection and Conservation of Local Documents and Oral History in Lao PDR(FY2007~2010)(全286頁;本文ラオス語)を刊行し、ラオス政府、県、郡の関係諸機関、ラオス研究者および現地調査を行ったすべての村々に配布することで、研究成果の社会還元を行った。
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Research Products
(2 results)