2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポーランド・リトアニアから英・独・仏への出稼ぎの動機・吸引要因の大量観察研究
Project/Area Number |
19402025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉野 悦雄 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 教授 (80142678)
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Keywords | 外国人労働力 / 移民 / 海外出稼 / EU / 労働市場 / ポーランド / リトアニア |
Research Abstract |
本研究は,2004年5月に東欧諸国がEUに加盟した後,顕著になったイギリス・フランス・ドイツ等におけるポーランド人とリトアニア人の外国人労働の問題に焦点をあてて,彼らの移民労働の動機および彼らを吸引する要因を,ファミリースタディを援用して調査し,4年間をかけて統計分析の有意性をもちうる結論を導出することにある。 1)平成19年9月17日から24日まで,リトアニアにおいて,本課題の研究協力機関である労働省労働研究所と共同で,実験インタビューを行い,調査票を確定した。ついで9月25日から28日までワルシャワにおいて研究協力機関であるIMO東欧移民フォーラムと共同で実験インタビューを行い,調査票を確定した。 2)平成20年1月3日より10日まで,ロンドン市内において20人のリトアニア人移民労働者と面接調査を行った。 3)平成20年3月7日より17日までドイツのデュッセルドルフ近辺の中都市4市において30人のポーランド人移民労働者と面接調査を行った。 4)本年度,収集できた調査票は合計50票であり,予定の40票を上回り,順調な調査であった。 5)ロンドンでは,ぞくぞくとリトアニア人労働者が入国しているのに対して,ドイツでは2005年までで移民の流入はほとんど停止し,不法移民は確実に1割以下に低下し,労働市場が完全に解放される2011年(本研究の最終年)までは変化が生じないであろうことが分った。フランスも同様であると考える。フランスは調査最終年度に調査する予定である。 6)一方,最近,労働市場を開放したアイルランドとスウェーデンの重要性が認識されたので,平成20年度ではアイルランドを調査対象に加えることとした。
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