2009 Fiscal Year Annual Research Report
南アジアにおける女子教育及び女性のライフコースに関する総合的研究
Project/Area Number |
19402041
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
服部 範子 Hyogo University of Teacher Education, 学校教育研究科, 准教授 (70189570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 雅美 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10083057)
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (50144621)
黒川 衣代 嗚門教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80300375)
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Keywords | 南アジア / ジェンダー / 女子教育 / 社会政策 / ライフコース |
Research Abstract |
本年度は南アジアの南部地域(スリランカとインド・ケーララ州)において現地調査を実施し、北部より男女ともに識字率・就学率が高い諸要因、及び教育の現状や問題点を明らかにしようと試みた。 1.南アジア南部地域で全体的に教育が進んでいる要因 (1)北部の山岳地帯に比較しインド海洋世界に位置するという地理的要因、 (2)古くから世界的な交流がありヨーロッパの特にキリスト教の影響を受けたなどの歴史的要因、 (3)農業中心の社会において海外への移民や出稼ぎが早くから盛んであった社会経済的要因など 2)スリランカ 教育・医療は無償で保障され、男女とも初等・中等教育レベルの教育は普及している。しかし、高校・高等教育への進学希望者は多いが、入学可能な人数が絶対的に少ない。そのため、受験・進学競争が激化している。海外への出稼ぎ労働者は低賃金労働に集中し、その半数は女性の家事労働者である。 3)インド・ケーララ州 インドでは最も教育先進州で、政府の教育目標値をすでに達成している。都市部では英語教育が重視され高等教育レベルの教育が普及している。一方、農村部では政府の授業料無償化や給食サービスなど、非識字の成人女性への識字プログラムが実施され、識字・就学率を上げている。海外への移民・出稼ぎ労働者が多いことが、州の人々の英語熱・教育熱を促進している。
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