2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19403007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
MORI James Jiro Kyoto University, 防災研究所, 教授 (50314282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 久男 (独)海洋研究開発機構地球深部探査センター, 調査役 (10356470)
柳谷 俊 京都大学, 防災研究所, 准教授 (00259128)
松林 修 (独)産業技術総合研究所, 主任研究員 (70358034)
加納 靖之 京都大学, 防災研究所, 助教 (30447940)
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Keywords | 温度 / 摩擦熱 / 集集地震 / 台湾 / 掘削 |
Research Abstract |
この断層掘削の目的は,断層をまたぐ地中の温度分布を調べ,それを1999年集集地震の摩擦特性と関連付けることである.我々の過去の研究により,集集地震をひきもこした車籠埔断層の北部の地域では摩擦が小さかったことが示唆された.本研究は,すべりは小さかったが摩擦は大きかった可能性のある車籠埔断層の南部で実施する. 今年度,台湾の車籠埔断層を貫く250m深のボアホールの掘削を行った.現場は,南投市で,1999年集集地震の断層破壊域の南部にあたる.約3週間かけて掘削が完了し,ボアホールの線上を実施した.ボアホールは孔底まで鉄管によりケーシングされた.孔底はセメンチングしたが,ケーシングの底部10mの区間のみ水を流入させるためスクリーンを設けた.孔口にはステンレス製のケースを設置した. この現場では,以前にも温度測定が行なわれたことがある.しかし,ボアホールがケーシングされていなかったため崩壊し,繰り返し温度測定はできなかった.以前の掘削によりボーリング・コアは取得されているので,ボアホール周辺の地質はよくわかっている.今回の掘削で,171m深で断層を貫通した.掘削中,この深度でカッティングス(掘屑)の変化がみられ,断層より上部の頁岩から下部の礫層へと地質が変化したことがわかった. この目的のために適当な現場を探し,掘削の許可を得ることに時間を要したため,掘削完了が年度の終末にずれこみ,今年度は詳細な温度測定を実施することができなかった.詳細な温度測定は次年度実施する. また,断層近傍の地下水の影響も調べている.掘削作業中に地下水の水量を観察し,41m深においてボアホール内への水の流入がみられた.地表近くで観察されたこの地下水の流れは,断層近傍には大きな影響しないと考えられる.このことは断層近傍の温度測定をするには好条件である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Precise Temperature Measurements and Earthquake Heat Associated with the 1999 Chi-Chi, Taiwan Earthquake2007
Author(s)
Kano, Y., J. Mori, R. Fujio, T. Yanagidani, S. Nakao, H. Ito, O. Matsubayashi, K.-F. Ma
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Journal Title
Scientific Drilling, Special Issue No.1 doi:10.2204/iodp.sd.s01.40.2007
Pages: 94-96
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