2008 Fiscal Year Annual Research Report
長期観測に基づく中国北京市の大気環境の実態調査と動態解析による環境評価
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19404002
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 茂 Keio University, 理工学部, 教授 (10137987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 知明 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (30348809)
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Keywords | 環境質定量化・予測 / 環境分析 / 大気汚染防止・浄化 / 東アジア / 有害化学物質 / 有害金属 / 多環芳香族炭化水素類 / エアロゾル |
Research Abstract |
中国北京市の中国科学院において大気粉塵中多環芳香族炭化水素類(PAHs)の測定を行った。その結果、測定対象である15種類のPAHs濃度の合計をΣPAHsとすると、測定期間中(2004年10月1日〜20007年3月9日)のΣPAHsの平均濃度は162.9±211.5ng/m^3(n=107)となり、横浜市日吉慶應義塾大学理工学部屋上での平均濃度1.43±1.16ng/m^3(n=90)の約100倍の濃度となった。得られた結果を、中国科学院から西に約5kmの地点に位置する清華大学における結果(192.1±269.5ng/m^3,2003/9/2-2007/11/8,n=174)と比較するとほぼ同レベルの濃度となった。またΣPAHs濃度の季節変動を見ると、冬季に濃度が顕著に上昇した。この原因としては、中国北京市では11月15日から3月15日の間が暖房期のため、石炭の使用が増え、石炭燃焼によって生じるPAHsが増加するためだと考えられる。 中国北京市における2004年10月1日-2007年3月9日の大気粉塵中PAHsの測定結果を基にPMF (PQsitive Mtrix Factorization)法を用いて大気粉塵中PAHs発生源の推定を行った。PMF法は発生源データがなくとも多量に測定された観測地点での測定値およびその測定値の誤差から発生源データおよびその発生源からの寄与を同時に推定できる。その結果、暖房期では石炭燃焼を始めとする固定発生源から約80%、非暖房期では自動車排気などの移動発生源から約40%となった。これより中国北京市では季節によってPAHsの発生源の寄与が大きく異なることが判った。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Trends in hazardous trace metal concentrations in aerosols collected in Beijing, China from 2001 to 20062008
Author(s)
Okuda, T., Katsuno, M., Naoi, D., Nakao, S., Tanaka, S., He, K., Ma, Y., Lei, Y., Jia, Y.
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Journal Title
Chemosphere 72(6)
Pages: 917-924
Peer Reviewed
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