2007 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアのアンコール遺跡区域における環境破壊・汚染の現状と影響評価
Project/Area Number |
19404003
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
塚脇 真二 Kanazawa University, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (00222133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古内 正美 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70165463)
高原 利幸 金沢大学, 自然科学研究科, 助教 (20324098)
平吹 喜彦 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50143045)
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所附属流域災害研究センター, 准教授 (70325249)
石川 俊之 滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター, 琵琶湖研究部門, 研究員 (50396313)
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Keywords | カンボジア / アンコール遺跡 / 環境汚染・環境破壊 / 世界遺産 / 環境政策 / 大気汚染 / 河川変動 / 森林環境 |
Research Abstract |
カンボジア社会が発展するにつれて顕在化してきた自然環境の汚染や破壊について,観光産業が著しい勢いで発達し自然環境や地域住民,世界遺産への影響が懸念されるアンコール遺跡区域を対象に,汚染や破壊の特性を定量的に評価し,その結果にもとづきこれらを軽減させるための基礎資料を作成することが本研究の目的である. この目的に沿って2年計画の1年目にあたる本年度は,大気環境,森林環境,水・河川環境の3グループに分かれ,アンコール遺跡整備機構と連携しつつ年度前半は調査観測体制の人的・技術的確立にあたり,同後半は乾季であるとともに観光ハイシーズンとなる6ヶ月間の観測と調査とをそれぞのグループで実施した.その概要は以下のとおりである.(1)大気環境グループ:大気汚染がとくに著しいアンコールトム遺跡南大門やシェムリアプ市内などの定点および発生源での大気汚染物質の定期的採集とその分析を行った,(2)森林環境グループ:遺跡区域北部のプラ・カーン遺跡を主調査地に設定し毎木調査や希少薬用植物の調査を継続的に実施した,(3)水・河川環境グループ:遺跡区域の主要河川であるシェムリアプ川に水位計・流速計を設置し,流量調査や河川断面の測量,水質調査,プランクトンの調査を定期的に実施するとともに,アンコールワット環壕や西バライなどの遺跡区域の水域における水質調査やプランクトン調査,魚類相調査を行った.また,遺跡区域内の地盤強度にかかる基礎資料を作成した. 2年目であり最終年度となる平成20年度は,上述の調査研究を半年間さらに継続することで遺跡区域における環境汚染や破壊の年間変化/変動を把握し,これをふまえて発生源などの主因を特定のうえその軽減/摸減策を考える.この成果は,国際シンポジウム/セミナーとしてカンボジアで公開するとともに報告書を作成し同国ならびに国際社会に還元させることを狙う.
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Research Products
(8 results)