2008 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム特有の南方薬に含まれる生理活性成分シーズの探索
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19406003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金保 安則 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00214437)
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Keywords | 医薬用植物 / 南方薬 / 生理活性成分 / ベトナム / ホーチミン市 / 癌 / 肝炎 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
本研究では、ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)で癌やHIV、肝炎、アルツハイマー病などの種々の疾患の治療薬として適用されている医薬様植物"南方薬"に含まれる生理活性成分をスクリーニング・同定し、それらの分子作用メカニズムを哺乳動物細胞レベルで解明することにより、南方薬生理活性成分シーズを探索することを目的として、ベトナム・ホーチミン市の熱帯生物学研究所とベトナム国立自然科学大学との共同研究を開始した。 本年度は、数十種類の医薬様植物の水溶性画分と有機溶媒可溶性画分を調製し、求電子性化合物の細胞毒性に対して保護作用を示す転写因子のNrf2に対するそれらの活性化作用について検討した。その結果、Garcinia vilersiana外皮の石油エーテル抽出画分がNrf2の核への蓄積を促進する作用を有することが明らかどなった。また、この画分は、Nrf2のDNA結合活性を促進すること、およびNrf2依存的なheme oxigenase-1の発現を促進することが明らかとなった。これらのことから、Garcinia vilersiana外皮の石油エーテル抽出画分には、Nrf2を活性化することにより求電子性化合物の細胞毒性保護作用を有する成分が含有されていることが示唆される。現在は、その成分を同定するために、さらにGarcinia vilersiana外皮の石油エーテル抽出画分を分画して解析を進めている。
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