2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい診断法を用いたアジアにおける小児ウイルス感染症の分子疫学、予防と治療の研究
Project/Area Number |
19406026
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
牛島 廣治 Aino University, 医療保健学部, 特任教授 (10091068)
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Keywords | 国際協力 / ウイルス / アジア / 診断 |
Research Abstract |
1.風疹ワクチンに関しては定期接種がなされていない国がある。今回その1つであるホーチミン市の成績を報告する。発熱・発疹で外来を訪れる患者の25%が風疹であった。また同市には2つの小児病院があり、各々年間10名程の先天性風疹症候群が全身性の他の感染症で入院していた。ベトナム等での風疹ワクチンの定期接種化は緊急の課題である。1例においては風疹の遺伝子型を調べClade 2Bに属していた。 2.タイ、ベトナムでもロタウイルスG1、ノロウイルスGII/4の流行がわが国と同様に認められた。ロタウイルス、ノロウイルスのICキットは有用であった。 3.タイで2005年、2006年の下痢便82検体と156検体で下痢症ウイルスとしては頻度が少ないヒトパレコウイルス、ボカウイルス、エンテロウイルスを調べたところ2005年ではボカウイルス1検体、ヒトパレコウイルス12検体を見た。2006年では26検体にエンテロウイルス、11検体にヒトパレコウイルスを見出した。2005~2006年のスリランカでは362検体中ヒトパレコウイルスを30検体見出した。ボカウイルスは1群、2群が見られ、ヒトパレコウイルスの多くは1-4型であったが、10型、11型も見た。タイ、スリランカでは初めての報告である。 4.ベトナムのHIV感染小児(未治療)から得たウイルス遺伝子に関して薬剤耐性関連遺伝子の検索を行ったところ、逆転写酵素領域に変異が見られた。また、HIV感染患児のクラミジアニューモニエ抗体を検索したところ、IgAが32.6%で陽性であった。HIV感染児の死亡原因として肺炎が多いこととの関連性が考えられる。 5.呼吸器感染症に対しては3か月分の検体が得られた。解析中である。 6.チェンマイの殆どのブタからはE型肝炎の抗体の存在を認めたが、遺伝子の検出では陰性であった。
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Research Products
(55 results)