2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500017
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
齋藤 明 Nihon University, 文理学部, 教授 (90186924)
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Keywords | グラフ / 2-因子 / 次数条件 / 最小次数 / ハミルトンサイクル |
Research Abstract |
本研究はグラフの2-因子の成分数を研究対象とした。ハミルトンサイクルを成分数1の2-因子と捉え、ハミルトンサイクルが存在するための既知の条件を、指定した成分数を持つ2-因子の存在条件に拡張することを試みた。 そこで本研究者は2-因子と支配サイクルの関係に着目した。支配サイクルとは全ての頂点から距離1以内にあるサイクルである。支配サイクルはハミルトンサイクルの存在を示す前構造として使われることが多い。本研究代表者は、1つのサイクルではなく、指定された個数のサイクルの集合で任意の頂点から距離1以内にあるような構造を考え、位数nのグラフについて、nが十分大きくかつ最小次数が(n-2)/3以上あれば、そのようなサイクルの集合をとることができることを示した。またこの結果から、成分数が指定された2-因子が存在するための次数条件を与えた。この最小次数の下界(n-2)/3は支配サイクルそのものが存在するための最小次数の下界と一致する。すなわち、1個のサイクルであれ、複数個のサイクルであれ、支配するサイクルの集合の存在を保証する最小次数の条件は同じである。この事実は、次数からアプローチした場合、2-因子の成分数を定めるしきい値は見いだされないことを示唆している。 以上のように、本研究は指定された成分数を持つ2-因子が存在するための新たな次数条件を与え、同時に2-因子の成分数を調べる手段としての次数条件の限界を示し、大きな成果を与えた。
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Research Products
(4 results)