2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500017
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斎藤 明 Nihon University, 文理学部, 教授 (90186924)
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Keywords | グラフ / 2-因子 / Chvatal-Erdos条件 / ハミルトンサイクル / 独立数 / 連結度 |
Research Abstract |
本研究はグラフの2-因子の成分数を研究対象としている。ハミルトンサイクルを成分数1の2-因子と捉えることにより、ハミルトンサイクルの存在に関する既知の条件を、指定された成分数を持つ2-因子の存在条件に拡張することを試みている。 平成19年度の次数条件の拡張の成功を踏まえ、平成20年度にはChvata1-Erdos条件の拡張を試みた。Chvata-Erdos条件とはグラフの独立数が連結度により上から抑えられるという条件であり、この条件が成り立つグラフはハミルトンサイクルを持つことが知られている。本研究代表者は、Chvata1-Erdos条件の下で、対象となるグラフの位数が十分大きければ、そのグラフは指定された成分数から成る2-因子を持つことを証明した。本研究成果により、Chvata1-Erdos条件下において、成分数が1であることが特別なのではなく、成分数さえ大きければどのように成分数を指定しても、所望の2-因子が得られることになる。 上記研究はそれ自体が重要な結果であると同時に、2-因子の成分数による差異をChvata1-Erdos条件から観測しようとしても、明瞭な差異を見出すことができないことを示唆している。次数条件と同様に、計算量理論からは観測される差異が、グラフ理論の命題上の差異としては捉えられず、興味深い。NP-完全問題であるハミルトンサイクル問題が内包する複雑さを浮き彫りにする重要な知見が得られた。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Bipartite graphs (招待講演)2008
Author(s)
斎藤 明
Organizer
The 2^<nd> International Conference on Mathematics and Natural Sciences 2008
Place of Presentation
Bandung Institute ofTechnology, Bandung, Indonesia
Year and Date
2008-10-28
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