2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500017
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斉藤 明 Nihon University, 文理学部, 教授 (90186924)
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Keywords | グラフ / 2-因子 / ハミルトンサイクル / 禁止部分グラフ / 成分 / 連結 / 連結度 |
Research Abstract |
本研究はグラフの2-因子の成分数を研究対象としている。ハミルトンサイクルを成分数1の2-因子と捉えることにより、ハミルトンサイクルの存在に関する既知の条件を、指定された成分数を持つ2-因子の存在条件に拡張することを試みている。 平成21年度は禁止部分グラフの観点から2-因子を捉えることを試みた。いくつかの連結グラフの集合Hに対し、Hに属するグラフを誘導部分グラフに持たないようなグラフをH-フリーグラフとよび、Hを禁止部分グラフとよぶ。ハミルトンサイクルの研究では、2個のグラフの集合Hについて、H-フリーグラフがハミルトンサイクルを持つような集合Hが決定されている。そこで「H-フリーグラフは2-因子を持つ」という命題を成立させるような位数2のグラフの集合Hの決定を試みた。その結果、ハミルトンサイクルと2-因子では、得られるHに差異があることが分かった。これは禁止部分グラフの立場からハミルトンサイクルと2-因子の差異が観測できることを示している。また3個以上のグラフを禁止した場合の状況も調べ、個数が増えるとともに、両者の差異がより大きくなっていく様子も観察できた。以上のように本年度も当初の予定通りハミルトンサイクルと2-因子の差異を別の新たな角度から見出すことに成功した。
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Research Products
(4 results)